今回ご紹介するイギリスのスイーツであるヴィクトリアサンドウィッチは、
ヴィクトリア女王(1819-1901)の名にちなんで名付けられたケーキです。
なぜ、自分の名前をつけたのか?
ヴィクトリア女王は幼少時代に、お菓子類を食べることを許されなかったため、
女王の座に着いてからは、幼少時代を埋め合わせるかのように、
毎週のようにバッキンガム宮殿のキッチンからケーキを作って運ばせたそうです。
そこで、女王が気に入ったケーキには自分の名前を付けさせたとも言われています。
カフェの定番デザート
このヴィクトリアサンドウィッチが世の中に広まったのは、彼女が君臨していた四半世紀後のこと。
ビートン夫人という方が、1861年に出版した『家政のための本(Household Management)』の中にレシピを掲載したのが始まりです。
ここでは、ビートン夫人は、ヴィクトリアサンドウィッチはティータイムに頂くケーキというよりも、
食事の最後に出てくるプディング(デザート)と位置づけているようです。
ビートン夫人のレシピはいたって簡単。
卵4個、その重さ分の砂糖・薄力粉・バター、そして1/4tspの塩を混ぜて焼き、
ジャムやマーマレードをはさむと掲載されています。
現在でもその作り方は引き継がれているようです。
現在、ヴィクトリアサンドウィッチは、スコーン、キャロットケーキット、そしてレモンドリズルケーキとともに公園のカフェの定番のメニューのようです。
そこで今回は、シンプルなヴィクトリアサンドウィッチでなく、
その老夫婦が販売していたオレンジ風味のヴィクトリアサンドウィッチをご紹介します。
本来であれば、生地を二つの型に流して焼き、フィリングを塗ったらもう一方の生地を重ねるのですが、ご自宅でも作りやすいよう、一台の型で焼き、半分に切ってフィリングをはさみました。
是非お試しください。
材料
・115g 無塩バター(常温にもどしておく、ポマード状)
・115g ブラウンシュガー
・2個 卵(常温にもどしておく、人肌くらいにしておくと分離しません)
・115g 薄力粉 + 7g ベーキングパウダー
・1個 オレンジ(皮)フィリング
・20g バター(常温にもどし、やわらかくしておく)
・50g 粉糖(ふるっておく)
・3Tbsp マーマレードジャム
・少々 粉糖(上にかける装飾用)
※フィリングは、粉糖とバターをマーマレードに混ぜていますが、少し多めのマーマレ―ドジャムのみをはさんだだけでも、美味しくいただけます。
レシピの紹介
1.180度にオーブンを温め、型にベーキングペーパーを敷く
2.ボールにバター、ブラウンシュガー、卵、薄力粉、ベーキングパウダーを入れ、
ハンドミキサーで約2分間よくかき混ぜ、その後ゴムベラに持ち替え、オレンジのすりおろした皮を混ぜる
3.型に流し、180度に温めたオーブンで約30分間焼く
※竹串をさして何もついてこなければOK
液状の生地がついてきたら、あと数分オーブンに入れる
4.フィリングを作る~フィリングの材料であるバター、粉糖、マーマレードをボールに入れてよくかきまぜる
5.冷ましたケーキを半分に切り、片面にマーマレードのフィリングをぬり、生地をのせ、茶こしを使って粉糖をまんべんなくかける
ヴィクトリアサンドウィッチの甘く暖かい思い出
また私が住んでいた地域では、毎週末に公民館のようなパブリックスペースで、
セカンドハンドショップ(古本、古着、陶器など)が開催されてました。
そこの1角には老夫婦が出しているティーショップも併設されており、
いつも手作りのヴィクトリアサンドウィッチ等が1.5ポンドくらいで紅茶と共にお店で販売されていました。
毎週のようにその老夫婦が作るヴィクトリアサンドウィッチを買っていたため、
私がオーダーする前にはすでにケーキを紙袋に入れて下さっていたのが懐かしい記憶です。
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