これが「算数」!? 不思議なイギリスの算数教育事情(その2)

その1のつづきです。

イギリスの算数大会、その内容は?

転入当初から、算数だけは現地の小学校でトップクラスだったうちの娘。
学校代表に選ばれて、市の「マス・チャレンジ」という算数大会に出ることになりました。
日本ではフツーの成績だった娘が、本当にそんなものに出ていいのだろうか……と不安になりつつ会場におもむくと、そこでまたビックリの光景が。

使うのはレモンと新聞紙?

教室に所狭しと机が並べられ、緊張した顔の小学生たちが、合図とともに一斉にガリガリと問題を解き始める……なんて状況は、いっさい無かったのです。
受付にはジュースとクッキーが用意され、実にリラックスしたムード。
そして「各学校4人ずつで組んでください」と、まさかのチーム制。
そして配られたのは、なぜか古新聞とレモン

「今からこの新聞紙で、できるだけ高くタワーを作ってください。ただし、頂上にレモンが載るくらい頑丈であることが条件です」

「完成品を見て審査員が評価します。基準は、タワーの高さと頑丈さと、デザインです」

え、何これ図工の時間?

「算数」なのにデザインで評価?

意外過ぎる出題に、あっけにとられてしまいます。

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その後はペーパーテストに移りましたが、そこでも数独(!)が出題されたり、とにかく日本でイメージされる「算数」とは全くかけ離れた内容。
また、一度に何種類かの問題が課されるので、各チームは臨機応変にそれぞれの役割分担を決めて、作業を進めて行かなくてはなりません。
初対面の相手もいる状況で、10歳そこそこの子供たちが、「私はこれやるからあなたはそれをやって」「それが終わったらこっちを手伝って」と、活発に声掛けしながら協力しあう様子は、見ていて感心させられました。

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一方で、問題自体は、「日本で公文をやっているような子なら楽勝だろうなぁ……」というレベル。
日本とイギリスでは、そもそも子供に求められている内容が全く違うのだろう、と思わされます

「教育」は社会の鏡

個人個人の到達度を重要視する日本と、考えるプロセスや自律性を重視するイギリス。

その特徴は、それぞれの社会や歴史と結びついており、簡単にどちらが良い、悪いと言えるようなものではありません。
ただ、「教育」はその国を理解する重要なファクターなのだと改めて思いました。

この「マス・チャレンジ」、あなたは出てみたいと思いますか?

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