あるEU離脱派の声

6月23日のEU離脱の是非を問うイギリス国民投票から二週間ほどがたちましたが、イギリス政界を含め、世界中がこの結果に、まだまだ揺れています。

各メディアでは、残留派、離脱派それぞれの主張を発信してきましたが、投票後に後悔し、投票のやり直しを求める署名がかつてないほど集まるなど、投票の評価はいまだ定まっていません。
ニュースだけを見ていると、なんだか本当は残留派が多かったのでは、という印象を受け、なかなか離脱派の本当の声が見えづらくなっている印象を受ける人もいるのではないでしょうか

そんな中で、離脱に投票し、結果が出た後も同じ考えを持っている、ある女性の話を聞く事ができましたので、ご紹介したいと思います。

自分たち自身で進んでいくべき

“Let us try if we can move forward just by ourselves.”

イタリア系イギリス人で、イギリス人のパートナーとの間に2人の子供がいるその女性は、こう言いました。

イギリス人で、最低賃金では働きたくないという理由で、生活補助を受けている怠け者がいるのも知っているし、だからそういうやりたくない仕事を移民たちがやっているのもわかっている。
だから、これからは、イギリス人もそういう仕事も自分たちでやらなきゃいけないんだと気付いて、これから前に進むべきだというのです。

たしかに、以前よりイギリスでは、生活保護受給者が余裕のある暮らしをしているとしてたびたび批判されてきました。
しかし、同じイギリス国民のことなのにもかかわらず、このように考える人もいるということです。

国外居住者との格差

彼女のパートナーは、ブラックキャブ(タクシー)を仕事にしています。
ブラックキャブのドライバーになるには、大変なテストに受かってから登録され、税金もきちんと納めなくてはならないとのこと。
ところが、最近、日本でも話題になってきた、ウーバーという個人が自分の空き時間に自分のクルマを使ってタクシーのようなサービスを提供する事業を利用する人が多く、彼らはもし居住地をイギリスにしていなければ、税金も払わないらしく、いい迷惑で安全面でも不安材料だとか。

EU域内は同じ条件でビジネスができるのだろうと思っていましたが、このような差が生まれていたのです。

声をひそめる離脱派

この女性は、話を聞く際、自分が離脱派であることをあまり大きな声ではいえない、と言っていました

というのも、彼女の子供が通う学校の大半の生徒の親や先生、シッターさんは、(元々)イギリス人ではないからです。
一部のイギリス人が、街中で外国人を排斥するような行動をとり問題となっているため、ますます自分が離脱派であることをいいにくい状況になってきているのではないでしょうか。

この国民投票で、自分が離脱派だと言ったら、仲のいい友達にも「人種差別派なのね、あなたは」といわれ、残念だったともいっていました。

イギリスを二分している今回の国民投票ですが、お互いがお互いを理解する議論は、イギリスの国際性のため、より難しくなっているのではないかと感じました。

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