おいしい英国レシピ No.41 Dundee cake

第41回目はダンディーケーキです。

今回ご紹介するケーキはダンディーケーキと呼ばれますが、洒落た素敵な男性を意味するdandy(ダンディー)とは違います!
Dundeeとは、スコットランドで4番目の大きさの都市でエジンバラ北部に位置し、北海につながるティ湾の北部にある都市になります。

ダンディーについて何か覚えていませんか?
No.6でマーマレードケーキを紹介しましたが、マーマレードが生まれたのはダンディーになります。
Keller’s marmaladeは有名ですね。
マーマレードについての詳細は「No.6 マーマレードケーキ」をご覧ください。

そのダンディーは、発見の都市(City of Discovery)としても知られているようです。
南極探検家のロバート・スコット(1868-1912 )が南極探検に使った船ディスカバリー号(RRS Discovery)が、ダンディーで建造され現在も保存されています。

こんな都市で生まれたのがダンディーケーキで、スコットランドの伝統的なお菓子の一つになります。

それでは、ダンディーケーキについて少しだけ説明したいと思います。
1800年代初期ダンディーでダンディーケーキが商業的に製造・販売されていましたが、起源はもっと古く、350年も前と言われています。
それは、16世紀にスコットランド女王メアリー(在位:1542-1567)のために作ったとされています。
メアリーは、当時流行っていたフルーツケーキの中に、チェリーが入っているのをあまり好まなかったそうです。
そこで、地元のお菓子屋さんがチェリーの代わりにアーモンドを使い、ケーキの上にアーモンドをサークル上にデコレートしてケーキを焼いて差し上げたのが起源のようです。
その後時を経て、19世紀にはとてもリッチな材料を使って焼かれ、スコットランド全土に広がったようですよ。

ダンディーケーキを始めイギリスのお菓子はどれも長い歴史を持つ物ばかりですね。
時代の流れに受け入れられるよう少しずつ変化しながらも、昔ながらの名残があるのがイギリスのお菓子の特徴ですね。
一過性の、いわゆるトレンドの物はすぐ忘れられてしまうものですが、伝統というものは時を経てもしっかりと残されている、というよりも残す事の大切さをイギリス人のDNAに組み込まれているのかもしれません。

レシピにうつります。

ダンディーケーキは、ドライフルーツがぎっしりと詰まったとてもしっかりしたケーキになります。
混ぜて焼くだけの簡単なケーキになるのですが、焼くのに約2時間かかります。
焼き始めてから30分を過ぎると上の方が色づき茶色になりますので、焦げ付かないようにホイルなどをかぶせて下さい。

(材料)18㎝の型
1個 レモンの皮
1個 オレンジの皮
225g 薄力粉
1tsp ベーキングパウダー
150g 食塩不使用バター *ポマード状にする
150g グラニュー糖
3個 卵
3Tbsp 牛乳
175g カレンツ
175g サルタナレーズン
50g ドレンチェリー *半分にカットする
50g オレンジピール
2Tbsp アーモンドパウダー

60g 皮無アーモンド

1.オーブンを170度に予熱し、18㎝の型にベーキングシートを敷く
2.ボールに薄力粉・ベーキングパウダーをふるう
※この際、空気をたくさん含ませるため高いところからふるう
写真1.1
3.バター、グラニュー糖、卵、牛乳を入れ、ハンドミキサーで1~2分よく混ぜる
※少し硬く感じたら、牛乳を少々加えて下さい
写真2.1
4.残りの材料(カレンツ、サルタナレーズン、ドレンチェリー、オレンジピール、アーモンドパウダー、レモンとオレンジの皮)を入れてゴムベラで混ぜる
写真3.1
5.型に流し、ゴムベラを使って上部を平にしたら、アーモンドをサークル状に並べていく
※アーモンドを並べる際強く押しすぎると、焼いている間アーモンドが沈んでしまいます
写真4.1
写真5.1
6.あらかじめ予熱したオーブンで約1時間45分入れる
※30分を過ぎると上部が焦げ茶色に色づいてくるのでホイルをかぶせるなどして調整して下さい
写真6.1
7.1時間45分して一度オーブンから出し、竹串を刺してまだ生地が付いてくるようであればあと10~15分いれる。その後竹串を刺して何もついてこなければ焼き上がり
8.型のままラックの上で完全に冷ます
※焼いてから約2日後くらいにお召し上がり頂くと、生地とドライフルーツがよく馴染み、美味しくお召し上がり頂けます

【Kanako公式HP】

Food culture and society

※現在新HPへ移行中のため、上記リンクは繋がりません。
筆者kanako様のプロフィールとお問い合わせは下記リンクのページをご利用ください。


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