おいしい英国レシピ No.51 Crumpets

クランペット、トランペット?と思わず楽器を連想したくなりますが、クランペットは平たくて丸い小さなパンになります。
イギリスではクランペットリングと呼ばれる型を使い鉄板の上で焼かれます。

良く焼かれた表面は、片面はきつね色、もう一方はスポンジのような小さなホールがあるのが特徴です。
肝心な食感はというと、モッチリしており、ポルトガルのポン・デ・ケイジョのチーズがない味わいかもしれません。

それでは、クランペットという言葉はどこからきたのでしょうか。
色々と調べてみると、どうやらこの単語は1600年代のケルトにルーツがあり、ブルトン語(ブルトン:ブルターニュ地方に主として暮らすケルト系民族)の“kranpoez”(薄い、平らなパンケーキという意味)に由来するようです。

そして、1649年のオックスフォード辞典では”crumpet”に言及しており、そば粉と卵、牛乳とベーキングパウダーで作ると書かれているようです。
そば粉を使うところが、ブルターニュ名物のそば粉のガレットを想像してしまいますね。
ヴィクトリア時代(1837-1901)には生地にイースト菌が加えられ、丸型の容器に入れて焼かれたとあります。
どうやらヴィクトリア時代のレシピが現在まで受け継がれているようです。

イギリスのお菓子は本当に古い歴史を持つものばかりです。
時代の変化に対応しながら洗練され、そして美味しくなっています。
これにはしっかりとした土台があってこそ作り継がれるのではないでしょうか。

何事も基本は大切ですね。

それではレシピの紹介です。
気を付ける点は、生地を流すセルクル型には多めにサラダ油もしくはバターを塗って下さい。
そうしないと、なかなか型から外せません。
型がない場合は、そのままフライパンに生地を流して焼いてください。
この場合は残念ながら厚みはでませんが、味は同じですよ。

型がなくて厚みが欲しい場合は、小さめのフライパンに1㎝くらいの高さになるように生地を流し、ホットケーキを作るようなイメージで作れば、高さが出ると思います。
その際は切り分けて、バターやジャムを塗って焼き立てをお召し上がりください。

(材料)直径約7㎝×8個分
175g 強力粉
1/4小さじ 塩
1/4小さじ ベーキングソーダ
3/4小さじ ドライイースト
125ml 温かい牛乳(40~50度)
150ml 温かい水(40~50度)
少々 サラダ油もしくはバター
バター サーヴ用

(作り方)

1.大きいボールに、強力粉、塩、ベーキングソーダをふるい入れる

2.ドライイーストを入れてかき混ぜ、中央に穴を作る

3.温かい牛乳・温かい水を入れて、木べらで約5分かき混ぜる



4.ふきんをかぶせて、暖かい場所に約1時間置く

5.1時間たったら、木べらで約2分かき混ぜてよく馴染ませる

6.セルクルの内側に刷毛でサラダ油もしくはバターをぬる

7.フライパンを弱火にかけてセルクルを置き、生地を約1㎝の高さになるように流しいれ、5~7分焼く

8.表面にぷつぷつ気泡ができてきたら、セルクルを注意しながら抜き取り、生地を裏返しにして約1分焼く

※セルクルを取る際、とても熱いので気を付ける

【Kanako公式HP】

Food culture and society

※現在新HPへ移行中のため、上記リンクは繋がりません。
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