Rosalie

イギリスでの医療に関して(No1)

NHS医療のメリット・デメリット

NHSの記事(https://rosalie.jp/2017/03/07/イギリスでのひとり暮らしは気をつけて!-知って/)が以前にも書かれていましたが、イギリスの一般的な国民医療は国営のNHS (国営医療サービス)があります。
イギリスに長年に住んでいてNHSの悪い面をよく耳にしたりします。
それでも我が家ではNHSの恩恵を受けていたりします。
個人的な意見ですが何が良いのか、悪いのかを知ってる範囲でまた体験をもとに書き出してみたいと思います。

メリット

イギリスの医療や治療は基本的に低コストもしくは無料!
お医者さんから処方箋を薬局に持って行くと基本的に1つの処方箋につき8ポンド60ペンスかかります(2017年4月現在)。
でも無料対象者もいます。
そこが日本と違うなと思うことです。
主に16歳以下の子供。
16歳から18歳までで学生。
60歳以上。
妊娠中から産後1年間。
あとは低所得者でベネフィット(国からの補助)をもらっている人に対しても無料だったりします。
また、持病を持っている人で定期的に薬が必要な人のためにPrescription prepayment certificates (PPC)というのもあり、1年間で104ポンドもしくは3ヶ月で29ポンド10ペンスを支払えば一つ一つの処方箋に払うよりもお得に薬が手に入るシステムがあります。

歯科・眼科などに対しても上記の無料対象者には無料で治療が受けられたりします。

子供の目の検査はNHSを通して無料でしてくれる眼鏡屋さんがあったりします
なので夫婦で利用しているコンタクトレンズの会社で子供達の登録をしてもらい無料で1年に1回目の検査をしてもらっています。
歯医者では子供達の歯のチェックは半年1回の割合で毎回無料です
また私自身も二人の子供達を妊娠中と産後は無料でチェックと治療をしてもらえました。

我が家ではまだしていませんが、子供の歯の治療で矯正が必要な場合にはNHSで無料!
日本では何百万円ともする歯の矯正がイギリスでは無料で受けられるそうです。

医療費が無料なので妊娠中の検査(助産婦さんが妊娠中に定期的にチェックしてくれます)、産後のケアー(保健師さんが定期的に母子のチェックをしてくれます)も無料。
もちろん出産も無料で、産後の入院費(イギリスでは長くても2日の入院だけですが)も無料。
緊急で帝王切開になっても無料です。
病院食はお世辞でも美味しいとは言えないのですが、入院中の食事も無料でした。
また妊娠中と産後に別のことで薬が必要になった場合にも無料でした。

また不妊治療や体外受精などもNHSで無料で行う事ができるそうです(回数が地域ごとに違ったりするようです)。

持病を持っていたりする際に定期的な検査、必要な手術なども無料。
緊急で駆け込みで病院に行ったりして入院しても無料です。

我が家では上の娘が2歳前に高熱でひきつけを起こしてしまい緊急で病院に行き1日入院となりました。
小児科の大部屋でしたが、大人も隣に簡易式のベッドを用意してくれて入院の付き添いができました。
その際の入院費も無料でした。
また、私自身の足の指にヒビを入れてしまった時も緊急で病院に行きレントゲンを撮ってくれたりしましたが、すべて無料でした。

また女性に対しては子宮頸管ガンの検査テストsmear testと言われているものが25歳から49歳は3年ごと、50歳から64歳は5年ごとに行われますが、こういう検査も無料で行う事ができますし、40歳から74歳までに健康診断といいますか、成人病である糖尿病や心臓病、肝臓、高血圧などのチェックを看護婦さんがしてくれます
また65歳以上を対象にdementia(痴呆)のチェックもしてくれるそうです。
イギリスでは健康診断がないのかと思っていましたが、あるんだなと思いました。

デメリット

とにかくすぐには行けないシステムである事
不調である時に医師に診てもらいたいと思っても行けない時があるのです。
上記のように無料の医療費。
なので必然的に患者がウェイティングリストというものが存在していて順番待ちだったり予約がいっぱいだったりします。
イギリスではすぐに病院の専門的な先生に診てもらえるというわけではなくて、GPというジェネラルプラクティスというところで予約をしてまずその先生に診てもらいます(事故などの緊急の場合にはもちろん病院のA&E(アクシデント&エマージェンシー)というところへ駆け込みできます)。
GPでは一般的な医者がいてその場で解決できる症状なら薬を処方してくれたり適切な処置をしてもらえますが、専門的な医者が必要だと判断した際に病院にようやく参照となります。
なので、そこでウェイティングリストの存在がでてきます。
もちろん、生死をさまよう重大な時にはそのウェイティングリストの上位いけると思いますが、待てる状態とでもいうのでしょうか、その場合には待たなければいけません。
だいたい早くて4−6週間。長くて半年という場合も生じます。
内科、外科、精神科、小児科、皮膚科とにかくなんでも先ずはGPの医者に相談しに行きます。
日本であればすぐに病院の何科って専門の先生に診てもらいたいと自分で判断したらすぐに診てもらえたりしますが、こちらではすぐにということがありません。

基本的に無料なので治療や処置も簡易というか最小限です。
あるいは何もしてくれなかったという場合も!

これは忘れもしない事ですが、私が食中毒で寝込んでいた際にGPに行ったことがあります。
嘔吐と下痢でどうすることもできなくて体力も全くなくなってしまい回復が遅く、みるにみかねて義両親がGPに連れて行ってくれたことがありましたが、その際には安静にしておいてください、そのうちに回復するからって言われただけでした
確かにいつかは回復すると思いますが、その時一番辛い時期だっただけにこの国は自然治癒をすすめるんだと思いました。
実はその後に日本でも里帰りに際に食中毒になってしまった事があり、緊急で病院へ行った事がありましたが、日本では点滴をしてくれたりという処置がありました。
体力が少し回復して治りが早まったと思いました。

私の夫の持病が見つかるまでに8ヶ月もかかりました。
夫は日本では難病の潰瘍性大腸炎を20代後半で発症しました。
GPではその専門の先生はいなかったので、なかなか病気を見つけるということができませんでした。
すぐに病院に紹介してもらい検査したらすぐにわかったと思います。
でもそれはたまたまそのGPの医師達(複数の違う医師に診てもらいました)の判断が悪かったのです。

妊娠中はすべて無料なので文句は言えない立場ですが、もうちょっと我が子のスキャンの写真などをみたかったです。
イギリスでは2回しかスキャンしてくれません。
最初は12週目。
心臓が動いているか、子宮外妊娠ではないかなどをチェックします。
そして次は20週目にスキャンがあります。
その際に知りたければ性別がわかる時期でもあるので教えてくれたりしますが、たまたまその時のスキャンでわからなかった場合や位置によって異なった性別で教えてもらったりして出産したら違ったっていう事もあるそうです。
日本ではもっと後半にもスキャンをしてくれたり(毎回なのでしょうか?)するそうですが、こちらではその後は出産まで我が子をみる事はないので、もっとスキャンしてもらえたらとも思っていましたが、無料だからしょうがないと割り切っていました。

イギリスに住んでいて、こういう医療事情を長年経験しているので本当に必要な時だけにしか行かなくなりました。
夫の病気が見つかってからのサポートは素晴らしくて、病院での定期的な検査は必ずあり全て無料なのでNHSの恩恵を受けています

次回の記事では有料の病院や治療でプライベートもあるのでそちらを紹介したいと思います。

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メディのイギリス暮らし



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