おいしい英国レシピ No.55 Osborne Pudding

前回のブレッドとバターのプディングに引き続き、今回も食パンを使った“オスボーンプディング”と呼ばれるデザートです。
基本の作り方は同じですが、少し味が異なります。
どのように異なるかというと、バターの上にマーマレードを塗ったり、ラム酒、ブラウンシュガーそしてナツメグが加わるので、大人のデザートになります。

では、どうしてオスボーンプディングと呼ばれているのか気になりますよね。
一般的に言われているのは、ヴィクトリア女王(1819-1901)がイギリス南部に位置するワイト島にあるオスボーンハウスに滞在した際によく食べられていたことから、オスボーンプディングと呼ばれていると言われています。
オスボーンハウスとは、ヴィクトリア女王とドイツの王子アルバート公のために建てられたイギリス王室の離宮になります。
設計はアルバート公がしており、イタリア・ルネサンス建築の宮殿を基礎としているようです。
ヴィクトリア女王のお気に入りの離宮で、アルバート公の死後もクリスマスなどをオスボーンハウスで過ごしたそうです。

ところで、ヴィクトリア女王とアルバート公の愛の物語は、最近日曜日夜に放送されていた、「女王ヴィクトリア 愛に生きる」という番組で描かれていましたね。
大英帝国が世界を征服した時代に、18歳で女王に即位しその後アルバートと恋に落ち、周囲の反対がありながらも結婚したという真実の愛の物語です。

話は戻り、もう一つ言われているのは、王立協会の会長で植物学者、博物学者でもあるSir Joseph Banks(1743-1820)の料理人、ヘンリーオスボーンのレシピではないかとも言われています。
ジョセフ・バンクスは、海洋探検家のキャプテンクックとして知られている、ジェームスクックと共に航海し、多くの新種を発見し、その中の75種にバンクスの名前が付けられていることで知られています。

今回のレシピも本当に簡単です。
少し硬くなってしまった食パンなどを使ってプディングをつくれば、food wasteにもなりませんよ。
是非トライして下さい。

(材料)グラタン皿24㎝×14.5㎝ 高さ3.5㎝
4枚 食パン(8枚切り)*全粒粉の食パン
適量 バター
適量 オレンジマーマレード
30g レーズンもしくはカレンツ
300ml 牛乳
2個 卵
大さじ1 ラム酒もしくはブランディー
大さじ1 ブラウンシュガー
適量 ナツメグ

サーブ用
適量 生クリーム

1.グラタン皿に刷毛でバターを塗る

2.食パンの耳を切り落とし、バター、マーマレードを塗ったら長方形に3等分する

3.2をグラタン皿に並べ、レーズンを散らす

4.牛乳を火にかけて温め(沸騰させない)たら火から外し、ボールに卵とラム酒を入れて混ぜたものを温めた牛乳に入れて混ぜる

5.4をパンの上に流しいれ、ナツメグ、ブラウンシュガーを上からかけ、約15分おく

6.オーブンを180度に温める

7.オーブンに約35分入れて焼く

※熱いうちに、生クリームをかけてお召し上がりください。

【Kanako公式HP】

Food culture and society

※現在新HPへ移行中のため、上記リンクは繋がりません。
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