おいしい英国レシピ No.20ドロップ・スコーン(Drop scones)

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No.20でご紹介するお菓子は、「ドロップ・スコーン」と呼ばれるケーキです。

“スコーン”というと、イギリスのアフタヌーンティーには欠かせない定番のティーケーキですよね。
横半分に切ってクロテットクリームやジャムをたっぷり塗って食べます。

しかし、今回のドロップ“スコーン”とは、別名「Scottish pancake」(スコットランドのパンケーキ)と呼ばれます。
日本でもお馴染みのパンケーキのことです。

パンケーキの生地のように、やわらかい生地が調理プレートの上に「垂れる、流れる」という意味から、「ドロップ」スコーンと呼ばれているようですよ。


ちなみにイギリスでは、パンケーキというとクレープのような薄い食べ物をさします。
ですが、ドロップスコーンはベーキングパウダーが少し入っていることから、少し膨れて厚みがあります。

このドロップスコーンには、エリザベス女王にまつわるお話しがあります

エリザベス女王、秘伝のレシピ

なかなか公になることがないバッキンガムパレスのレシピ。
ましてやエリザベス女王自身のレシピなどあまり耳にしたことはありませんよね。

しかし、エリザベス女王ご自身の“ドロップ・スコーン”のレシピが数年前に明かされました
そのレシピは、元アメリカ大統領のアイゼンハワーに送った手紙の中にしたためられていたようです。

 

それは時代を遡りエリザベス女王が即位して7年目のこと。
1959年の8月に、女王はアイゼンハワー大統領夫妻を、スコットランドのエジンバラ近郊にあるバルモラル城に招待したそうです。
スコットランドのハイランドで大統領夫妻と共にバーベキューをした際に、
女王自身がドロップ・スコーンを焼いて差し上げられたそうです。
すると、大統領はとてもお気に召されたようで、女王は秘伝のレシピを大統領に教えることを約束した
そうです。

数か月後、約束は果たされました。

そのレシピは1960年1月24日付けで、アイゼンハワー大統領に送った手紙に記されています。

その手紙の内容・レシピとは!?

手紙の前半部分の和訳です。

親愛なる大統領へ
本日の新聞で、ウズラをバーベキューしている前に立っているあなたの写真を見て、私がバルモラルであなたに約束したドロップ・スコーンのレシピをまだ教えてなかったことを思い出しました。
早速レシピをお教えします。上手に作れますように。

16人分の分量ですが、材料の質や状態によって、薄力粉や牛乳を加減してください。
砂糖の代わりに、ゴールデンシロップや糖蜜を加えていいかもしれませんね。・・・・・・

女王自らペンをとり、アドバイスまで書いてあります。
そのアイゼンハワーをも唸らせたレシピがこちらです。

卵2個・4Tbspの砂糖・1teacupの牛乳を一緒に混ぜ、
次に4teacupsの薄力粉を入れて混ぜたら、
1teacupの牛乳と2tspのベーキングソーダと3tspのクリームタルタルを加えて、
最後に2Tbspの溶かしバターを加えて混ぜる

私がご紹介するレシピは、クリームタルタル・ベーキングソーダの代わりに、ベーキングパウダーを使いました。
スコットランドのパンケーキ“ドロップ・スコーン”を是非お試しください。

材料

12個分(直径約7㎝)

125g:薄力粉

1tsp:ベーキングパウダー ※あらかじめ、薄力粉とよく混ぜておく

一つまみ:

25g:グラニュー糖

2個:卵 ※あらかじめ溶いておく

100ml:牛乳

25g:食塩不使用バター

適量:サラダ油 もしくは バター

※サーブ用 お好みで
メープルシロップ、ハチミツ、バター、ジャムなど

レシピの紹介

1.薄力粉・ベーキングパウダー・塩を合わせてこし器でボールにふるい入れ、砂糖を加えて混ぜる
写真1.1
2.1の粉類の真ん中にゴムベラで穴を作り、そこに溶いた卵と牛乳を入れる
写真2.1
3.泡立て器で中心からゆっくりと、卵と牛乳薄力粉と混ぜ会わせ、溶かしバターを加えてざっくり混ぜる
※生地の固さは、泡立て器ですくい上げた際、常に生地が落ちる程度の固さ
写真3.1
4.弱火で熱したフライパンに、サラダ油もしくはバターを入れて全体に広げ、生地を直径約7㎝の大きさに流して焼く
5.生地の表面にふつふつと気泡ができたら裏返し、生地が焼けるまで約2分焼く
写真4.1

6.完成!

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