いよいよ、今回で最終回のイギリス式結婚式。
式の流れも日本とは違ったりします。
一概にすべての結婚式がここで書かれてる通りというわけではありませんが、
一般的にこういう流れで式と披露宴が行われるという事で紹介したいと思います。
ハロゲートでの暮らしがつづられている
著者ブログ「メディのイギリス暮らし」はこちら!
1日の流れ
①結婚式(儀式)
↓
②披露宴(イギリスではレセプションと呼びます)
↓
③スピーチ
↓
④ダンスパーティー「ボール」
①結婚式(儀式)

※この画像はイメージです。
どの式場であっても、基本的な流れは同じです。
誓いの言葉を言うという流れがあり、花婿さんと花嫁さんが誓います。
そして、結婚指輪、誓いのキス。
教会では賛美歌を歌ったりもします。
歌のチョイスはカップルの選んだ物ですが、私たちの結婚式の際には夫の祖母が選んでくださりアメージンググレイスでした。
写真撮影は式とレセプションの間に
さて、ウェディングドレスを着た花嫁さん、タキシードの花婿さん。
二人の写真を撮るのは当日です。
式の間の写真撮影は基本的にどこも禁止されていると思います。
(神父さんなどが式の方が始まる前に説明するところもあります)
カップルの方は、だいたいはカメラマンを1日雇います。
雇う期間は、花嫁さんの朝の支度から夜の披露宴(ボール)まで。
結婚式が終了してからレセプションの時間まで、花嫁さんと花婿さんはカメラマンと写真を撮りに外へ出る場合があります。
披露宴の庭が綺麗ならその庭園で、他に写真撮影にいい場所があればそこで。

【庭で撮影する場合の例】
画像は著者とは別のイギリス結婚式の様子から
その間にゲストは、式場とレセプションが離れてる場合は移動したり、式場とレセプションが同じならバーなどで他のゲストと飲みながら話したりして待っています。
花嫁さんと花婿さんはその間は休みがないくらい時間に追われているのですが、ゲストは割とのんびりと結婚式から最後まで過ごす事ができます。
②レセプション

【レセプションの様子】
画像は著者とは別のイギリス結婚式の様子から
着席式で食事付き。
ウェディングブレックファーストとも呼ばれています。
朝食がでるわけではありませんが、式が午前中に終わってからの食事という事でブレックファーストという名前がついているようです。
でも、形式は着席し、フォーマルな形で前菜、メイン、デザートとコースで出てきます。
飲み物は席にワインなどが用意されてるところもあれば、バーにて自分たちで購入するという形もあります。
基本的に一般的なイギリスの結婚式では司会者という進行係はいません。
レセプションの会場の方が決められた時間内に食事をだしたり、スピーチなどの時間を教えてくれたりと進めてくれます。
また、ウェディングプランナーを雇ってる場合にはその方が進行を進めてくれると思います。
③スピーチ

【レセプションでのベストマンのスピーチ例】
画像は著者とは別のイギリス結婚式の様子から
思い出語りや未来に向けてのメッセージが語られる結婚式のスピーチ。
感動的シーンになる重要な場面です。
イギリスでは、3人の男性が披露宴でスピーチをします。
- 花婿さん
- ベストマン
- 花嫁さんのお父さん
この3つの中で重要なスピーチがベストマンのスピーチです。
【ベストマンの説明は下記記事に記載】
こちらでは日本の披露宴のように他の方がスピーチをする事がありません。
なので、ベストマンは花婿さん、花嫁さん両方の思い出話を話したり、二人のユーモアな話をしてゲストを少し笑わせたり、感動させたりというスピーチを求められたりするんです。
ベストマンにとってスピーチは重要な役割があるので、結構悩んで考えたりするそうです。
実例
ご参考までに、私の父がスピーチをしてくれた例を紹介します。
私のレセプションの時には日本から家族が来ました。
この時、家族みんなが初めての海外でした。
父は英語が堪能ではありませんが、このスピーチの際には英語でスピーチをしてくれました。
日本人がしゃべる英語。
そのスピーチの際にはすべてのゲストの方が父のスピーチを聞くのに真剣に聞いてくださり静かになり、終わったら拍手喝采となりました。
このスピーチ、しゃべるまでは父もかなり緊張していたようですが、終わったらほっとしたようです。
また、スピーチの時にフラワーガールズたちがいれば、ちょっとしたお礼で小さいプレゼントをあげると子供達も予期しないプレゼントで喜んでくれたりします。

著者の結婚式の際のフラワーガール
日本では花嫁さんがご両親宛のお手紙を披露したり、お友達が結婚式のために披露してくれたりとしますが、こちらイギリスではそういうのもありません。
基本的にここから夜の部まで自由に過ごす事ができます。
花嫁さんと花婿さんは引き続き写真撮影をしたり、ゲストの方とお話しをしたりできます。
披露宴でのお色直しのタイミングはいつ?
お色直しという事はイギリスでは、まずしません。
もしかしたら、する方もいらっしゃるかもしれませんが、私自身の結婚式、そして私が今まで出席した結婚式では花嫁さんはウェディングドレスをそのまま夜の部まで着ています。
式ではベールをしていますが、レセプション以降はベールを取り外してティアラだけだったりもします。
また、私のドレスは、式では床も引きずる後ろが長いスカートでした。
でも、後ろのボタンにスカートの裾が引っ掛けられるようになってるので、レセプションではスカートを若干短くできるドレスでした。
レセプションとその後の夜の部でのダンスのために、そういう仕組みになっていたのではないかと思います。
④ダンスパーティー「ボール」

※この画像はイメージです。
レセプションが終わり、夜の部になると、ダンスパーティー「ボール」(ball)があります。
日本人からすると、披露宴も終わった後だし、自由参加の二次会かな?と思いそうな所ですが違います。
イギリスの結婚式は、参加者は夜までずっと一緒に行動する事が基本ですので、このダンスパーティーも一連のプログラムです。
また、このダンスパーティーからゲストを招待する場合もあります。
レセプションは家族や親しい友人などを呼んだりしますが、すべての方をお招きする事ができない場合もあるからです。
昼間のレセプションよりはカジュアルに行われます。
立食でビュッフェ形式での食事が出たりします。
ダンスパーティーなので、音楽係でDJを雇ったりする方が多いです。
基本的に立食後にゲストは好きなようにダンスをしたりして楽しむ事ができます。
ファーストダンス
花嫁さんと花婿さんが一緒にダンスをするというのをファーストダンスと言われています。
夜の部で、スローなダンスが流れたら二人でダンスをします。
チークダンスと言われるダンスです。
その後はゲストも一緒にダンスをしたりして長い1日は終わります。
ウェディングケーキのタイミングは自由
一連の流れの中に無かったので、皆さん疑問に思っていたかもしれません。
「ウェディングケーキはないの?」と。
もちろんあります。
ただし、そのカップルによってどこの場面でケーキを切るかというが違います。
そして、どれが正しいというわけではないので、ウェディングブレックファーストの際に出来るし、夜のボールの時にもできます。
カップルがしたい時にできます。
日本人からすると披露宴で行うイメージが強いと思いますので、レセプション後にあるボールの時にもケーキ入刀が出来るというのは、全く違う所です。
もちろん、二人で一緒にケーキを切るという事もします。

【ケーキ入刀の様子】
画像は著者とは別のイギリス結婚式の様子から
私たちの結婚式はボールをしなくて、夕方までのウェディングブレックファースト形式にしたので、ケーキカットは食事を終えてからしました。
そのケーキを切り分けてゲストにお出しする事ももちろんできます。
ボールをしなかった分、親しい友人らを交えて日本の二次会のように食事に行ったりしました。
カップルがどのような結婚式をあげたいか、どのように過ごしたいかによって結婚式の形が違います。
また、日本人がハワイで挙式をあげるのに対して、イギリスでも海外で挙式をあげる事が可能です。
イギリス人の海外の人気挙式場所は、カリブ海の島や地中海の島などだったりします。
【豆知識】一年以上日持ちする伝統的なウェディングケーキ
披露宴以外でもケーキ入刀が出来るという大きな違いがあるイギリスのウェディングケーキですが、食べ方にもこだわりがあったりします。
イギリスの伝統的な結婚式の場合ですが、ウェディングケーキは三段重ねで作られていて、それぞれの段に誰がどの状況で食べるかといった風習があります。
- 三段目(一番下):ゲスト
- 二段目(真ん中):結婚式に来られなかった人
- 一段目(一番上):新郎新婦
ここで、二段目の「結婚式に来られなかった人」にケーキを贈る際、ケーキが悪くなるんじゃないかと心配になります。
更に、一段目の「新郎新婦」の所ですが、実は結婚式で食べる訳ではありません。
一年後の結婚記念日、もしくは子供が生まれた時に食べます。
そんな風習のために昔からの伝統的なウェディングケーキは、お酒をたっぷり含ませドライフルーツをたっぷり入れたどっしりとしたケーキです。
このケーキは日持ちのするケーキです。
つまり、日本人の「ケーキ」としてなじみ深いスポンジケーキではありません。
スポンジケーキは、日持ちしないケーキだからです。
でも、それは伝統的なイギリスの結婚式の話で、近年はフルーツケーキを嫌い、口当たりがいいスポンジケーキにしていたりもします。
伝統的なイギリス結婚式の流れが全てではない
最後に、最近の結婚式の一例を紹介します。
つい先月に主人の上司だった方の結婚式に行った時の様子です。
上に書かれてる通りの式とは全く異なり、夕方前に式だったので、ウェディングブレックファーストは省略されて、ボールの夜の部がメインの披露宴で、カジュアルな形でした。
リーズのセンターにあるホテル内で挙式とボールだったので、式とレセプションの間の移動はなく、カップルが写真撮影している間はバーで夜の部が始まるまで待っていました。
一例ですので、最近の結婚式は全てカジュアルな形式という訳でもありません。
友人の式に出席した時は、伝統的なすべての流れで行われた結婚式でした。
主人のいとこの結婚式ではボールだけ呼ばれたこともあります。
まとめ
いかがだったでしょうか。
日本人からすると異国の文化ですので、「伝統的なイギリスの…」と考えると、ルールを守らないといけないと思う事が多くあってしまうかもしれません。
ですが、近年のイギリスの結婚式のように、イギリス人自体でも、形式は様々です。
ルールを守るために結婚式をするのではなく、結婚する二人が幸せになるためにルールがあると思います。
イギリスでの結婚のみならず、日本で結婚される方にとっても今回までの記事がご参考になりましたら嬉しいです。
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