今回はレモンポセットを紹介します。
レモンカード、レモンシラバス、レモンポセットとレモン続きですが、大分気温も上がり夏に近づいてきたので、爽やかなレモン味のデザートでリフレッシュして欲しい一品です。
それでは、この聞き慣れないポセットとはいったい何?という方も多いですよね。
ポセットとは、ミルク酒になります。
レモンシラバスと似たデザートになりますが、シラバスは冷たいまま生クリームを調理するのに対し、ポセットは生クリームを沸騰させます。
そこにワインやエールを加えて凝固させ、ナツメグやシナモンなどのスパイスで風味付けをします。
現在ではポセットはデザートとして食べられていますが、当時は風邪や発熱の際に食されていました。
今から約400年前の1620年の貴族院の議事録には、チャールズ1世は彼の医者からポセットドリンクを処方されたとあります。
ポセットは温められ、ティ―ポットのような特別な容器で作られていました。
現在よく言われている、“牛乳を温めて飲むと心身共に安らぐ”ということに近いかもしれませんね。
また、シェイクスピアは戯曲の中でポセットを何回か取りあげています。
その中の一つマクベス(1606年)を見てみましょう。
Do mock their charge with snores: I have drugg’d their posts,
That death and nature do contend about them,
Whether they live or die.
(日本語訳)
ドアは開けてあるし、酔っ払った寝室係は仕事をさぼり、いびきをかいて寝ている。
ミルク酒に薬を入れたので、彼らは生死を彷徨っているだろう。
このように、ポセットはシェイクスピアの戯曲に出てきたりと長い歴史があることがわかりますね。
イギリスのお菓子はどれも古くから伝えられている物が多いのですが、時代を経て徐々に食べやすく、そして洗練されているのではないでしょうか。
今回紹介するポセットは、コンデンスミルクを連想させるようなとても濃厚でありながらレモンの酸味が効いているので、とても爽やかなデザートになります。
簡単に作れるので、この機会にトライしてみて下さい。
材料
ショットグラス4人分
200ml 生クリーム
60g グラニュー糖
30ml レモン果汁
適量 ジャム ※種類は何でもOK
レシピ
1.鍋に、生クリームとグラニュー糖を入れ、泡だて器で軽く混ぜ、弱火にかける
2.弱火にかけたら軽く沸騰させ、泡だて器で砂糖を溶かす。
3.砂糖が溶けたら、ふつふつと表面が揺れ動く程度に5分ほど沸騰さ、時々かき混ぜる
4.火から外し、レモン汁を入れて軽く混ぜ、ショットグラスに流す
5.表面が乾燥しないよう、ラップをかけて冷蔵庫で3時間ほど冷やす
6.サーブする前に、ジャムをのせる
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