おいしい英国レシピ No.53 Fig Sly Cakes(フィグスライケーキ)

今回ご紹介するケーキは、フィグスライケーキ。
Figはイチジク、Slyは秘密めいた、茶目っ気のあるなどの意味で、イチジクのちょっと秘密めいたケーキになります。

Slyの“秘密めいた”という言葉がとても気になりますよね。
いったいどんな秘密が隠されているのでしょうか。

まずは一つ目から見ていきましょう。
それは、中を開けてビックリ。
見た目はとてもシンプルで、何の変哲もないケーキです。
しかしケーキをカットすると、中にはイチジクやカレンツやサルタナのドライフルーツがぎっしりと詰まったとてもリッチなケーキになるのです。
サクサクの生地に、濃厚なドライフルーツ。
何となく想像できましたか。

そして二つ目。
サウスシールズ(South Shields)というイギリス東北部にある海岸にある町、アメリカの南北戦争、そしてスライケーキに秘密が隠されているのです。
時代は遡り19世紀の頃、Chishlomというスコットランド人の家族が、アメリカからサウスシールズへ引っ越し、波止場近くのThrift通りでベーカリーを経営していました。
娘のMargaretは一本先の通りに住むWilliam Whitfieldに恋をしてしまいました。
しかしMr.Chishlomはとても厳格な父で、常に娘のMargaretを監視していたそうです。
そこで、Margaretは父親に見つからないよう、Williamがお店を訪れた際には必ず、ケーキに秘密のラブレターを忍ばせていたそうです。
5年間続いた秘密のラブレターが実り、MargaretとWilliamは父に交際を許され、そして幸せな結婚をしました。
Williamに渡したケーキに秘密のラブレターが隠されていたことから、ケーキはSly Cakesと名付けられたそうです。

いつ来るかも分からない、恋する人のために手紙をしたため、そしてそっとケーキに忍ばせる。
ラインやメールなどで一瞬にしてやり取りができる現在、何とも心が和むストーリーですね。

それでは、レシピの紹介です。
外側はサクサク、中は濃厚でジューシーです。
ほとんど砂糖を使っておらず、ヘルシーなケーキになります。
生クリームを添えてお召し上がり下さい。

(材料:20㎝タルト型)
250g 薄力粉
125g 食塩不使用バター
40g グラニュー糖
適量 水

225g ドライイチジク(粗く刻む)
75g クルミ(粗く刻む)
50g カレンツ
50g レーズン
150ml 水
(2 Tbsp ラム酒)

少々 牛乳

1.薄力粉に1㎝角に切ったバターを加え、指先を使って混ぜ合わせ、パン粉状のボロボロの状態にする

2.グラニュー糖と水を加え手のひらでこねて、一つにまとめたらラップに包み、冷蔵庫で寝かせる

3.鍋に刻んだドライイチジクとクルミ、レーズン、カレンツと水を入れ、弱火で時々かき混ぜながら水気が無くなるまで煮る

※ラム酒を加える場合、水気がなくなりそうになったら入れて煮る

4.煮えたらよく冷まし、オーブンを170度に予熱する

5.生地を二等分し、その一つを綿棒で伸ばし型に敷く

6.冷ましたドライフルーツ類を型に入れ、平らにする

7.もう一方の生地を伸ばし、上にのせ、周りを指で押しながらカットする

8.刷毛で牛乳を上面に塗り、予熱した170度のオーブンで約40分焼く

【Kanako公式HP】

Food culture and society

※現在新HPへ移行中のため、上記リンクは繋がりません。
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