今回ご紹介するケーキは、ウェストモーランドペパーケーキです。
このケーキ、ウェストモーランドのペパーが入ったケーキのこと?と誰もが思うかもしれません。
もちろん正解です!
ウェストモーランドは地域の名前で、39州あるイングランドの一つの州(カンブリア州)にあり、イングランドの北西部(マンチェスターより北)の湖水地方に位置しています。
そして、このケーキにはペパーという文字が入っている通り、“こしょう”が入っています。
こしょう=料理に使う香辛料とお思いでしょうが、イギリスではこしょうをケーキにも入れてしまうのです。
ちなみにNo.1でご紹介したGinger Cakeにもこしょうが材料の一つに使われていますよ。
実はこしょうが、このケーキに独特な風味と香りをもたらしてくれます。
では、どうしてイギリスの人は、こしょうをケーキに使おうと考えたのでしょうか。
それは、歴史をさかのぼること18世紀から19世紀の初頭。
イギリスが世界中に植民地を広げ、領土を拡大した頃ですね。
ウェストカンバ―ランド海岸、特にホワイトヘブンのという小さな港町は、イギリスの西海岸やイングランドの北部において貿易の中心地でした。
そのためイギリスの植民地からは、こしょうなどのスパイス類の他、モラセス、ラム、砂糖などが定期的に輸入されていたそうです。
故に、この地域の食事は植民地からの輸入品に深く影響を受けており、独自で個性的なお料理が生まれたそうです。
その個性的なお料理とは、ウェストモーランドペパーケーキ以外に例えば、ナツメグやメース、白・黒こしょうなどで味付けされたスパイシーな「カンバ―ランドソーセージ」やモラセス、ナツメグ、シナモン、ラム等とバターを混ぜて作られる「カンバ―ランドラムバター」、そしてショウガ味で少し固めなクッキー「グラスミアのジンジャーブレット」などがあります。エキゾチックな材料を使ったユニークなこれらの料理は、イギリスが広域にわたり支配した証ですね。
それでは、早速レシピをご紹介します。
このケーキには“こしょう”の他に、ジンジャーやクローブといったスパイスとカレンツやレーズンのフルーツをふんだんに使っています。
こしょうの鼻にツンとくるスパイシーな辛みと、カレンツやレーズンのフルーツの甘味が絶妙なバランスですので、是非お試しになって下さい。
18㎝の型使用
(材料)
75g レーズン
75g カレンツ ※カレンツが無い場合は、レーズン75gで代用可
100g グラニュー糖
75g バター
150ml 水
225g 薄力粉 + 8g ベーキングパウダー ※あらかじめ合わせてふるっておく
一つまみ 塩
1/2tsp ジンジャーパウダー
一つまみ クローブパウダー
1/2tsp 黒こしょうパウダー
60ml 牛乳
1個 卵 ※ときほぐす
1.18㎝の型にベーキングシートをしき、オーブンを180度に予熱しておく
2.鍋に、レーズン、カレンツ、グラニュー糖、バター、水を入れて一度沸騰させたら、弱火で約10分間コトコト煮て、少し冷ます
3.大きいボールに、あらかじめふるっておいた薄力粉・ベーキングパウダー、塩を一つまみとジンジャーパウダー、クローブパウダー、黒こしょうのスパイス類を入れたら、②のフルーツ類を少しずつ入れてゴムベラで軽く混ぜる
4.牛乳とときほぐした卵を加えて、ゴムベラで混ぜる
5.生地を型に流し、180度に予熱したオーブンで約45分~50分焼く
※竹串をさしてなにもついてこなければ焼き上がり
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