いよいよ夏本番ですね。
海に行こうか山に行こうか、旅行の計画を練っていらっしゃる方も多いと思います。
イギリス人の夏の過ごし方は、というと、何はさておきビーチに行くこと。
ここイギリス南西部の沿岸も、観光客でにぎわうようになってきました。
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イギリス人はビーチ好き
同じ島国としては不思議なくらいなのですが、とにかくイギリス人はビーチが大好き。
夏の海と言っても、日本の様に暑くはなく、むしろ肌寒い日の方が多いほどなのですけど、おかまいなしに海岸にあつまっては、日がな一日日向ぼっこをしています。
どこそこのビーチは砂質がどうの小石がどうの、各ビーチの詳細を記した専門情報誌まであるほどです。
「いったい何故そこまでの情熱をビーチにそそぐのか…?」と当初は不思議で仕方ありませんでしたが、今は、「イギリス人にとってのビーチって、つまり日本人にとっての温泉なんだな」というふうに理解しています。
割と当を得ているのではないかと思うのですが、どうでしょう。
ビクトリア時代からの伝統
この「夏=ビーチ」の図式が作られたのは、100年以上前のビクトリア時代。
海岸の新鮮な空気と海水が健康に良いとされ、夏は海辺でバカンスを過ごすのが富裕層のブームとなりました。
必ずしも「泳ぐ」ことに焦点が置かれていないのが、面白いですね。
ミステリーの女王アガサ・クリスティの父親も、そんなブームの中で保養地トーキーに家を買った一人です。
その後、鉄道網の発達に伴なって、ビーチでの夏休みは、都市の労働者たちにも普及していきます。
イギリス最大の保養地ブラックプールも、マンチェスターやバーミンガムの労働者たちがバカンスを楽しむ一大観光地として発展してきたのです。
ビクトリアン・ビーチの典型的なスタイルは、鉄道駅からのアクセスが良く、サーカスや劇場、遊園地など周辺の娯楽施設も充実していること。
桟橋(ピアー)も特徴のひとつですが、木造の桟橋は安全面の問題から最近では減少しているそうです。
現在は海外に押されぎみ
そんなイギリスのビーチですが、最近は斜陽気味。
というのも、時代の流れで、皆バカンスとなるとスペインやイタリアに飛んでしまうのです。
伝統的(?)ビーチにいるのは、お年寄りか小さな子供連れのファミリーばかり。
街にもゆったりした雰囲気が流れています。
往時の勢いは無いものの、いまだ多くのイギリス人の「郷愁」をさそってやまないビーチ。
あなたもアイスクリームやロックキャンディ片手に、海辺を散策してみてはいかがでしょうか。
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