今回は、少し早いですがイギリスのクラシカルなクリスマスレシピである”カンバーランドラムバター”の紹介です。
“カンバーランドラムバター”という名前で何となくどんな食べ物か想像できたのではないでしょうか。
そうです。
カンバーランドという地域生まれのラム風味のバターになります。
カンバーランドはいったいどこにあるのでしょうか。
カンバーランドは、イングランド北西にある古いカウンティのことで、現在ではカンブリア州のことになります。
1974年に、ウエストモーランド・ランカシャー・ヨークシャーの一部と統合され、カンブリアになりました。
カンブリアはピーターラビットで有名な湖水地方に位置します。
※下記地図参照
それでは、湖水地方の特産品である“カンバーランドラムバター”の歴史をたどってみましょう。
18世紀、ウエストカンブリアのホワイトヘブン・ワーキントン・メアリーポートは英領西インド諸島との貿易で栄えていました。
その貿易では、カリブ海のエキゾティックな食べ物やスパイス(サトウキビから作られた砂糖のマスコバド、ラム、ショウガ、ナツメグ、レーズン等)が取引されていました。
そこで、ラム・砂糖を持ち込んだ船乗りの人々やカンブリアに住むその家族によって、ラム、バター、砂糖を混ぜ合わせて甘いペースト状にして作り始められたのがラムバターのようですが、とある船乗りの人が船上で酒に酔った勢いでラム酒が入った樽にぶつかり、その衝撃でラム酒がバターの入った器に漏れ出してしまい、そのバターが後に黄金に色づきラム酒風味のバターになったという、偶然に生まれたのが始まりとも言われています。
このラムバターはビクトリア女王の治世時代(1837-1901)にはhard sauceとして知られ、洗礼式には欠かせない物であった他、産後の母親の健康の回復に良い食べ物とされていたそうですよ。
きっとラム酒のアルコールで血流が良くなり、砂糖の甘さが産後の弱った体にカロリーを補給し、また独特の風味が体をリラックスさせてくれたのかもしれませんね。
それでは、レシピの紹介です。
今まで紹介した中で一番簡単で、リッチな味わいのレシピです。
イギリスでは、クリスマスプディングに溶かしてかけたり、また特別なご馳走の日にアイスに添えたりと、デザートを華やかにする脇役のクリスマスレシピです。
クリスマスレシピとはいえ、一年を通してお召し上がり頂けますので、トーストしたパンやイングリッシュマフィンに塗って紅茶と共にお召し上がり下さい。
(材料)
4Tbsp ラム酒
120g 食塩不使用バター*常温にもどしておく
120g 三温糖もしくはブラウンシュガー
※三温糖を使った方が、甘さがソフトになるような気がします。
1.常温に戻しやわらかくなったバターと三温糖(ブラウンシュガー)をボールに入れて、ハンドミキサーでもったりするまでかき混ぜる
2.ラム酒を加えてよく混ぜる
3.完成
【Kanako公式HP】
※現在新HPへ移行中のため、上記リンクは繋がりません。
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