日本では紅葉を迎え果物、特にリンゴの美味しい季節に入りますね。
イギリスでも日本同様これからリンゴが旬の時期になります。
イギリスでは今のところ、EU圏内そしてニュージーランドなどからの輸入により年間を通してリンゴが食べられていますが、約23種類のリンゴが早くて7月~遅くは翌年5月にかけて(もちろん多くのリンゴが10月~11月が旬)、主にイギリス南部のドーセットやケントで生産されています。
種類としては、Cox、Zarl、Discovery、Spartan、Early Windsorなど、そして料理用のリンゴでBramleyがありますが、これらは日本ではあまり馴染みがないですね。
イギリスのリンゴは日本のリンゴに比べると小ぶりで、スーパーでは6個くらいずつ袋詰めになって販売されており、味は日本の物に比べると糖度は低いものの、大地の香りをたっぷり含み、ほのかな甘さの中にリンゴ特有の酸味があり、“りんご”そのものの味になります。
イギリスのテレビドラマや映画をよくご覧の方はご存じの通り、現地の方はリンゴを皮ごと丸かじりで食べており、サンドイッチと共にリンゴ1個(皮などを剥いたりせずそのままの状態)を子供のランチにしたり、カフェでもリンゴが販売されていたりと、りんごはイギリス人の食生活に深く根付いているのが分かります。
そんなリンゴの食文化を大切にしようと、イギリスではリンゴの日(Apple Day)というりんごと果樹園のイベントが毎年10月を通して行われています。
リンゴの日のイベントは、1990年の10月21日にロンドンにあるコヴェントガーデンで始まり、2000年までにはイギリス国内で、600以上ものリンゴの日のイベントが開催されていたそうです。
そのイベントでは、リンゴを失ってはいけない自然や文化の多様性の象徴として捉え、特定のリンゴと地域を結び付け、果樹園を地域の独自性に貢献しよう、つまり、リンゴを通して地域を活性化させようという地方創生の意味合いを持ったイベントのようです。
例えばりんご園を開放して、直にリンゴを収穫して食べたり、そのりんごでケーキやサイダーを作ったり、リンゴの皮むき大会などがあり、このようなイベントを通して、イギリスの人たちはリンゴをもっと身近に感じ、地域に根付いた食文化や自然を大切に守り続けると共に地方を活性化しているようです。
イギリス人にとって“古い物を大切にする(歴史や伝統を重んじる)”ということは、一人一人の心がけ、そして地方の努力があってこそ成し遂げられているようです。
日本にも素晴らしい伝統や文化が多く残っています。
様々な文化が入ったり、もちろん日本からも出たりしていますが、多様化しながらも伝統や文化を大切に守り続けるというのが、日本人のアイデンティティーにも結び付けられるのではないでしょうか。
少し文章が長くなってしまいましたが、早速レシピの紹介です。
Dorset Apple Cakeのレシピは多くありますが、粉とバターをパン粉状にぼろぼろにした後に卵とリンゴを加えるのが特徴です。
リンゴをふんだんに使い、そしてシナモンのスパイスを加えています。
この時期ならではのレシピですので、リンゴの美味しい時期に是非作って紅茶と共にお召し上がり下さい。
(材料)22×9.5㎝ 高さ7㎝のパウンド型を使用
75g 食塩不使用バター ※2㎝角切りにする
200g 薄力粉 + 8g ベーキングパウダー ※あらかじめふるっておく
100g 三温糖
1tsp シナモンパウダー
3個 卵 ※常温に戻してといておく
2個 リンゴ
1Tbsp デメララシュガー
2Tbsp アプリコットジャム(少々お湯を入れてなめらかにしておく)
1.オーブンを180度に予熱し、型にベーキングシートを敷く
2.ボールに角切りにしたバターとふるった薄力粉・ベーキングパウダーを入れて、バターを指でつぶしながら薄力粉と混ぜ合わせ、パン粉のようにボロボロの状態にする
3.三温糖とシナモンパウダーを加えて、泡立て器で混ぜる
4.リンゴの皮をむき、種を取ったら、1個半を約1.5㎝角切りにし、残り半個は約3~5㎜にスライスする
5.角切りに切ったりんごと卵を3のボールに入れてよく混ぜる
6.型に流し、スライスにした半個のリンゴを上に並べる
7.デメララシュガーを振りかけ、180度に予熱したオーブンで約60分焼く
※竹串をさして何も付いてこなければ焼き上がり
8.アプリコットジャムに少々お湯を足してなめらかにしたら、刷毛で塗る
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