“カンバーランドラム”という言葉、見覚えはないですか。
No.30で“カンバーランドラムバター”を紹介しました。
カンバーランドとはイングランド北部にある古いカウンティのことで、現在ではカンブリア州のことです。
カンブリアとカリビアン、何となく発音は似ていそうですが、イングランド北部と西インド諸島では気候という面では大きく違いますね。
しかし、この2つの地域にはとても古くからつながりがあるのです。
イギリスが最初に西インド諸島に砂糖プランテーションを持って以来、そこでは砂糖やラム酒が生産されイギリスのカンブリアへ輸出されていました。
ゆえに、カンブリア地方の料理は西インド諸島の影響を強く受けており、ラム酒と砂糖とバターで作られるカンバーランドラムバターや、今回紹介するカンバーランドラムニッキーが挙げられます。
カンバーランドラムニッキーは、格子模様のタルト生地でおおわれ、中のフィリングはバター、デイツ(ナツメヤシの実)、ラム酒、スパイスや砂糖で作られています。
ここで使われるデイツは、主に中近東で生産され食べられています。
イスラム教の聖典コーランにはデイツは「神の与えた食物」と記載されているようです。
イギリスは世界に多くの植民地を持っていたことから、様々なスパイスなどの食料品が輸入され、それらを使いイギリス人の嗜好に合うように料理が作られています。
伝統的な料理(特にお菓子)はスパイスが多く入ったエキゾティックな味が特徴で、そのスパイスの組み合わせはアジアの国々とは違い、独特の風味を醸し出しています。
影のスパイス王国・イギリスですね。
それでは、レシピの紹介です。
タルト生地を作るのが少し手間と思うかもしれませんが、スコーンと同じようにパン粉のようにした粉に卵を混ぜるだけなので、意外と簡単です。
上面の生地は格子型にしなくても、そのまま綿棒で型の大きさに伸ばした後、のせて焼くだけでも美味しく頂けますよ。
(20㎝のタルト型)
175g デーツ ※粗く刻む
75g ドライアプリコット ※粗く刻む
90ml 水
小さじ2 ジンジャーパウダー
30ml ラム酒
30g ブラウンシュガー
30g 食塩不使用バター ※1㎝の角切りにする
生地
200g 薄力粉
大さじ2 粉糖
100g 食塩不使用バター ※1㎝の角切り
1個 卵 ※あらかじめ溶きほぐす
大さじ2 水
溶き卵 適量
*オーブンを180度に予熱する
1.鍋に刻んだデーツとドライアプリコットと水を入れて、水が無くなるまで弱火で煮る
2.1にジンジャーパウダー、ラム酒、ブラウンシュガーを入れてゴムベラでよく混ぜ合わせる
3.生地を作る
1)薄力粉と粉糖を大きいボールに入れて軽く混ぜたら、角切りにしたバターを入れて指でつぶしながら薄力粉と混ぜ、パン粉状にする
2)真ん中に溝を作り、溶きほぐした卵と水を入れて、手で生地を混ぜていく
3)一つにまとめたらラップに包んで冷蔵庫で約15分休ませる
4)生地を2/3(下面) と1/3(上面の飾り用)の二つに分け、2/3の生地を綿棒で伸ばしたらタルト型に敷く
5)1/3の方は、綿棒で伸ばしたら約1㎝の長さにカットし、オーブンシートの上で編み込んでいく
4.生地を敷いた型に2を全体に行きわたるようにのせ、角切りにしたバターを置く
5.溶き卵を縁に塗り、5)の編み込んだ生地をのせ、溶き卵を塗る
6.180度に予熱したオーブンで15分焼き、160度に温度を下げ20分焼く
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