パブは間違いなくイギリスの魅力的な文化だが、パブで酔いつぶれているイギリス人を見たことがない。
「イッキ、イッキ」的なノリのコンパで盛り上がっている若者たちを見ることもない。
仕事帰りに立寄りはするが、ワンパイントだけあおると、さっさと帰路につくイギリスのサラリーマンは多い。
日本では飲みニケーションとまでいわれ、大切な情報交換の場となっている「酒の席」。
イギリスには存在しないのだろうか?
家庭的な男がかっこいいという価値観
これは、「何がかっこいいか」という価値観の相違が大きいと思う。
日本は「仕事命」みたいな、仕事第一主義がまだかっこいいとされる。
仕事ができる男がモテる国なのだ。
しかし、イギリスは違う。
家庭第一主義、マイホーム・マンがモテるお国柄なのだ。
だから仕事が終わると、ほとんど脱兎のごとく帰宅して、妻とDIYや芝刈りを楽しむのが、かっこいいとされる。
だから、むしろやりたくなくても家のことをやる、という見栄を張るケースもあるようだ。
飲みニュケーションではなくパーティーで情報交換?
とはいえ、ビジネスマンにとっては情報交換は欠かせない。
どこでやるのか?
そこで重要な役目を果たしているのがホームパーティーだ。
週末に、夏なら庭でBBQをほおばりながら、寒い季節なら暖炉を囲んで、もちろん家族単位か、夜なら夫婦単位で、同僚や部下などを招待する。
招待されたら、いい年をした男が決してひとりで行ってはいけない。
恋人でもいいから同伴で出かけて欲しい。
たとえ喧嘩が絶えない夫婦であろうとも、ニコニコと笑いながらふたりで寄り添って登場する。
そしてパーティーが始まったら、妻同士で話している間に男たちはブランデーやワインを片手に、男同士の話をするというわけだ。
イギリスでのスマートな手土産
イギリス人にとって夫婦やカップルは、社会的な単位だ。
どこかに招待されたら、まったくの独り者でもない限り、自分だけで出かけるのはタブーである。
手みやげは日本のように仰々しいのは、ダサい。
その家の主婦に、花束とワイン、というのが一番無難な手みやげだ。
パーティーの主役はバーベキュー
さて、季節ごとにと書いたが、やはり一番のパーティーの華は夏に芝生の庭で行うBBQ(バーベキュー)パーティーだろう。
日本のべたつく夏と違って、からりとしたイギリスの夏は、気温が上がっても木陰に入れば上着が欲しくなるほど涼しい。
ヤブ蚊や大型のゴキブリは、北限を過ぎているのでイギリスには存在しない(ついでに蝉もなしだ)。
なので、蚊取り線香の煙にむせぶことなく、快適なBBQが楽しめるというわけだ。
知っておきたいバーベキューでの過ごし方
BBQに特別なルールはないけれど、庭に招待客がたむろしていたら、思い切って知らない客に話しかけるだけの度胸が欲しいところだ。
ところが、筆者はそれとは知らずに「ゲイパーティー」に招待され、年の離れた仲よしカップルに、もう少しで「いい息子さんをお持ちですね」と言いそうになって、カップルであることがあとで判明し、冷や汗をかいた経験がある。
まずその場の空気を読むことが大切だと悟った次第。
ちなみにイギリス人男性の10パーセントはゲイであることをお忘れなく。
この記事へのコメントはありません。