みなさんは、イギリスの国営医療サービスであるNHSをご存じでしょうか?
イギリスは医療費がタダ、というのは聞いたことがあるかもしれませんが、そのイギリスの医療を担っているのが、NHS(国民保健サービス)です。
しかし、別の記事でも書かれていますが、タダゆえになのか、イギリスに住んでいると、NHSがらみでの問題がいくつも出てきます。
今回は、そんなNHSに関連した注意すべきポイントを、事例を交えてご紹介します。
イギリスでは救急車はめったに来ない
イングランドとスコットランドには、「NHS 111 service」という24時間対応の相談窓口があります。
これは、救急車を呼ぶべきかどうか迷った時にかける、医療相談センターの番号なのです。
なぜそんなまどろっこしい事をするのかとお思いの方もいらっしゃると思いますが、実はイギリスでは、救急車を呼んでも、めったなことでは来てくれません。
救急車を呼ぶときは「999」という番号なのですが(ちなみに、警察や消防も同じ番号です)、かけても、基本的に生死にかかわらない案件では来てくれないと思った方がよいようです。
そのため、次善策を見つけやすいよう、事前相談の窓口である111を設けたとの事です。
しかし、その111も、2014年に開設してから現在までに問い合わせが10倍ほどに増えてしまい、だんだん対応が回らなくなってきているそうで、このサービスもどうしていく?という議論があるようです。
物的サービスはあるが、人的サービスはない
同じアパートの下の階に、一人暮らしのおじいさんがいるのですが、本当は介護などのケア付きの施設に行かないといけない程なのですが、自分の意思で一人暮らしをされているようです。
ある日、そのおじいさんの部屋がとても臭ってくることがあって、上のフロアにも臭いが充満していたのですが、NHSでは松葉杖や車いすなどの器具は貸してくれるのですが、介護などの人的ケアはしていないため、アパートの住民はとても困りました。
その後、見かねた友人がクリーニングサービスを呼んだそうですが、きちんと仕事をしなかったらしく、状況が改善されませんでした。
もしそのような事になった場合は、市にNHS関連の対策をしてくれる課がありますので、クレームを入れると、その業者は今後仕事がしにくくなるため、多少は有効です。
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