日本のおばさんが、クリント・イーストウッド似のイギリス人と結婚できた理由 12 夢見ていたイギリス社会へ

〜誕生日サプライズ〜

前述のように、イギリスでは年齢が大台に乗るときに、盛大に誕生パーティーを催す習慣があります。
私は50歳の誕生日をロンドンで迎えました。
日本ではそんな習慣はないので、何も期待していなかった私に、マルコムはサプライズを企画しました

第1話はこちら

マルコムのサプライズ内容

ちょっとしたパーティー会場を借り切って、私の誕生パーティーを催す。
これが彼の考えたサプライズです。

マルコムという人は、とにかく根気強い人でした。
花火を上げることはなくても、一つのことを辛抱強く続ける才能がありました。
この辺りが私と大きく異なる点です。

気持ちが大事

とはいえ、私はまだイギリスに来て2年半くらいしか経っていませんでした。
なので、友達も大学院以外ではほとんどいません。
マルコムは自分の家族、友達と親戚、それから私の学友とわずかな仕事仲間をすべて招待して、その20〜30人入る会場を埋めたのです

ザ・ガン(The Gun)」という、テムズ川を望むおしゃれなパブ。

貸切のダイニングルームはまるでローマの歴史的建造物のような壁画が見事でした。
料理も美味しく、何より張り切ったマルコムがかっこよかった。
後で聞いたところによると、マルコムはロンドンの銀行で働く息子に、3箇所のパーティールームを推薦してもらい、すべての場所に足を運び、食べ歩いて、この「ザ・ガン」に決定したのだとか
その話に私はとても感激しました。

夢にまで見たイギリス社会への仲間入り

アペリティフといって、食前酒を片手に川辺で談笑、その後にダイニングルームで会食。
マルコムがスピーチをしました。

思わず私もマルコムに感謝のスピーチをする、と手をあげました。
怪訝な顔をするマルコム
そういう場では、主役は黙っているもののようでした。

でも私はヒトコト、感謝の言葉を述べずにはいられなかったのです。

優しい人びと、美しいテムズ川、美味しいお料理!
これが夢のようでなくて何でしょう!

長年夢に見ていた「イギリス社会の仲間に入る」ことが実現した瞬間でした。

招待客の中には、私が仕事を通じて知り合った、イギリスの「漫画評論の第一人者」も来ていました。
彼は有名人です。
お客さんの中にも、「何故彼がここに?」と思った人はいたようです。

普通の人も有名な人も、様々なイギリス人がテムズ川の川辺で私の誕生日を祝ってくれている。
私はその日、まるでシンデレラになったような気分でした

こんな布石を打って、マルコムは私との結婚に次第にリーチをかけていくのです。

つづく

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