料理人、マルコム
ジェイミー オリバー、ゴードン ラムジーなどのカリスマシェフと呼ばれるタレントたちの功績は計り知れない。
彼らは、グルメと言う概念をイギリスに持ち込み、人々を啓蒙した。
マルコムも料理をこよなく愛したひとり。
彼は料理教室に通い、ジェイン・サンダースという先生に傾倒していた。
おいしい料理が客を呼ぶ!?
マルコムの持論は、美味しい料理を作れば友達が遊びに来てくれる…。
それを聞いたとき、私は、何を食べるかが大事なんじゃなくて、誰と食べるか、じゃないの?と聞いたけれど、それはただの正論であって、彼の淋しさを少しもわかっていなかった、と今になって思う。
イギリス料理の神髄は家庭料理にあり
マルコムは、美味しいイギリス料理とは、家庭料理に尽きることを教えてくれた。
よく、イギリス料理を不味い料理の代名詞のように言う輩がいるけれど、きっとイギリスの家庭に招かれたことがないのだろう。
カリフラワーチーズは、茹でたカリフラワーに新鮮なブリティッシュチェダーチーズをからめたシンプルだがいくらでも食べたくなる一品。
燻製の鱈は、牛乳で茹でて、 温野菜と一緒にいただく。
サーモンの切り身は、ローズマリーというハーブ とスライスレモンを乗せ、塩胡椒してホイルで包み、オープンで焼く。
また、野菜をふんだんに入れて茹で、ミキサーで粉砕して作る濃厚なスープもイギリスの代表的なおふくろの味だ。
私はマルコムの手料理を堪能し、体重を増やしてしまったものだ。
日本料理とイギリス料理の違い
イギリスになかったのは「旨味」とか、「野菜などのアク」といった概念だった。
じゃがいもや椎茸など、何種類かの野菜からはいい出汁が出るが、人参やゴボウのように、日本ではあくをゆでこぼして料理するのが普通、という野菜もある。
マルコムはよく人参を茹でた汁をスープに使ったが、あれには少々抵抗があった。
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