今回はミンスパイです。前回紹介したミンスミートを使ったレシピになります。
ミンスパイはクリスマスプディングと同様、イギリスのクリスマスに食べられるお菓子で、リキュールにつけたドライフルーツがたっぷり入ったパイになりますが、元々はラムなどのお肉で作られていました。
その名残やコクを出すため、背脂などが使われているレシピもあります。
このレシピでは脂の代わりにバターを使っています。
このミンスパイ、実は意外と長い歴史といわれがあります。
今から約650年前、スチュアート(1371-1714)・ジョージアン(1714-1830)時代のイギリスでは、ミンスパイはクリスマスにおいて“社会的地位”の象徴でした。
とても裕福な人々がクリスマスパーティーで様々な形をしたパイ、例えば星や三日月、ハートや涙そして花などを象ったパイを見せびらかすのを好んでいたようです。
またそれらのパイは当時流行っていたノットガーデン(古くからの形式で作られたハーブ中心の庭園)のようだったそうです。
これらのミンスパイを持つことができるのは、とても裕福であり、最高の職人を雇うことができる余裕がある証でした。
スチュアート・ジョージアン時代のミンスパイは様々な形をしており現在では丸形ですが、ミンスパイが始めて作られた当初の形は、楕円形、つまりキリストの眠る飼い葉おけの形をしており、ミンスパイは宗教的な意味合いもあるようです。
ところで、このミンスパイには中世からの迷信があります。
もしミンスパイをクリスマスの日から12日間一つずつ食べ続けると、12ヶ月は幸せに過ごせるとの言い伝えがあるようですよ。
是非ミンスパイを作って、クリスマスから12日間一つずつ食べて1年の幸せをお祈り下さい。
それでは下記がレシピになります。
注意点がいくつかありますが、その都度記載しておりますのでお読み下さい。
(材料)ミニマフィン型24個分
約250g ミンスミート
適量 粉糖
~生地~
250g 薄力粉
170g 食塩付不使用バター 1.5㎝角に切る
80g グラニュー糖
2/3個 卵
1/2個 卵(塗り用)
1.ボールに薄力粉、角切りにしたバターを入れて、指先を使いバターを潰しながら薄力粉と混ぜ合わせて、パン粉状のぼろぼろの状態にする
2.パン粉状になったら、砂糖、卵1/2個を加えてゴムベラでざっくり混ぜて、その後手で練ってひとまとめにする
※この際練りすぎない
3.ひとまとまりになったら、ラップに包み約10分冷蔵庫で休ませる
4.オーブンを200度に予熱する
5.作業台に粉をし、生地を麺棒で約3㎜の厚さに伸ばす
6.約7㎝のセルクル型で抜き、マフィン型に敷く
※生地を敷く際、生地は一度底に落とし入れるようにしてから、側面を伸ばすとやりやすいです
7.スプーンでミンスミートを入れる
8.7㎝より一回り小さい型で抜く(蓋用)
9.ミンスミートを入れた生地の縁に塗り卵をし、8の生地をのせる
※のせたら、真ん中を指で軽く少し押し、その後縁を軽く押して生地をくっつける
10.塗り卵をし、フォークを使い空気孔を作ったら、オーブンで約20分~30分きつね色になるまで焼く
11.ラックの上で冷まし、完全に冷めたらこしきで粉糖をかける
12.完成
【Kanako公式HP】
※現在新HPへ移行中のため、上記リンクは繋がりません。
筆者kanako様のプロフィールとお問い合わせは下記リンクのページをご利用ください。
この記事へのコメントはありません。