イギリスでは数年前まで、スパークリングワインのプロセッコがとても流行っていました。
でも、ここ最近は伝統的な醸造所で作られた「クラフトジン」が流行ってきています。
ビールでもクラフトビールといって、伝統的な醸造所でこだわりをもって作られたものが流行っていますが、ジンにもその波が押し寄せてきています。
ですが、流行以前に元々、ジンはイギリスにとっては馴染み深いお酒の一つです。
世界的にも主流とされるジンが「ロンドン・ジン」であるように、イギリスの歴史とも深く関わっています。
特にお酒というものは、「祝杯」や「仕事の後の一杯」というように、ファーマルな場でもカジュアルな場でも、重要視されるものです。
今回はジンというお酒がどのようにイギリスの歴史と関わってきたかをたどりながら、今流行しているクラフトジンの宅配サービスまでご紹介いたします。
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ジンとは“スピリッツ+ジェニパーベリー″で作られたお酒
まずジンとは、スピリッツというお酒に、ジュニパーベリーというスパイスを漬け込んで作られるお酒です。
ジュニパーベリーは日本では見慣れないものですが、その名前に「ベリー」と付くように小さい果実で、それを乾燥させたスパイスです。
胃腸の消化改善やニキビの治療、がん細胞にも効果があります。
そのため、アロマやエッセンシャルオイルなど美容グッズの原料にも使われています。
ジンがイギリス階級社会を越えて、広く親しまれるまで
ジンがイギリスに入ってくるまでの歴史ですが、その発祥は二つの説があります。
一説には、イタリアにて、修道院が11世紀頃にスピリッツを作った事が始まりとされています。
そして、もう一説としては、オランダの大学の医学部の教授によって、開発された薬用酒「イェネーバ」が始まりとも言われています。
イェネーバとは、オランダの国民酒であり、ジンの原型となったと言われるお酒です。
ジンはストロングゼロのような飲み物だった?上流階級にも飲まれる事になった理由とは
そして、イギリスに持ち込まれた最初は、オランダの貴族のオレンジ公ウィリアム(ウィリアム3世)がイングランドの国王として迎えられた時のこと。
昔は安価でアルコール度が高い飲み物として一般的には労働階級の人たちが飲んでいたそうです。
最近、日本では、安くて度数が高い缶チューハイ「ストロングゼロ」が人気というのを聞きましたが、当時のイギリスにおけるジンとはまさに同じようなお酒だったようです。
「仕事が辛いから、さっさと酔っぱらってしまいたい」という目的で飲まれてしまう酒という事になるため、あまりいいお酒というわけではなかったようです。
なので、不道徳なお酒として上流階級の人はあまり飲まなかった傾向だったそうです。
ですが、ジンをベースにしたカクテルなどが上流階級の人でも好んで飲むようになってきて、イギリスでは一般的な飲み物となったそうです。
現在のイギリスのスーパーマーケットで手に入るジン一覧
イギリスで普通に出回っているのはドライ・ジン(ロンドン・ジン)です。
最近ではイギリス産だけではなくて、各国で作られたジンも手に入れることができます。
【有名なメーカー】
- ゴードンズ(英語:Gordon’s )
- ボンベイ・サファイア(英語:Bombay Sapphire)
- タンカレー(英語:Tanqueray )
- ビーフィーター(英語:Beefeater)
他にもたくさんのメーカーからのジンをスーパーで購入することができます。
また、スーパーマーケットから出しているジンなどもあります。
クラフトジンの宅配サービスをためしてみた
そんなジンの大流行から「ジンクラブ」と検索したら色々引っかかります。
過去にもビールの宅配などもあって、我が家では夫が新しもの好きなので、なんでも試してみる傾向にあります。
夫の上司がしているというところを紹介してもらっていたので、早速試してみることにしました。
クラフト・ジン・クラブ(Craft Gin Club)
毎月、2ヶ月、3ヶ月ごととジンのボックスが届く選択が可。
月初めの最初の週に箱が届く。
配達料はUKで無料。
一箱£40ポンド。
我が家ではワインクラブもしているので、ワインも定期的に箱買いしています。
なので、ジンは3ヶ月に1回の割合で試してみることにしました。
只今、サマーキャンペーンで£40のところ、最初のボックスは£29で安くなっていました。
箱自体もジンを連想させる絵柄が描いてあって可愛いです。
中にはジンのボトルが割れないようにちゃんと包装してありました。
今回はフランスで作られたクラフトジンです。
ジンのほかに入っていたのは、
- 特別なトニックウォーター(この辺のスーパーでは見かけません)
- エルダーフラワーのリッカー
- おつまみ3種類(ポテトチップス、ダークチョコレート、チョコレートバー)
- ジンの雑誌
ジンのボトルの大きさは70clで、葡萄から作られたジンだそうです。
早速、ジン用に購入したグラスにて飲んでみました。
いつも飲んでいるジン&トニックとはまた一味違い、美味しかったです。
ちなみに、イギリスでのジントニックの言い方はジンとトニックの間にアンドを入れます。
バーなどでオーダーする際にもそう言います。
ジンの雑誌にはすでにメンバーの方のレビューがあり、日本のジンが美味しい!というレビューもありました。
日本のジンがイギリスで飲めるなんて!!
これから色々なジンを楽しんでみたいなと思います。
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