日本のおばさんが、クリント・イーストウッド似のイギリス人と結婚できた理由 13 人生を変えるボランティア

〜ボランティアってなに?〜

マルコムは、地方公務員でした。

ロンドン・ウェストミンスター自治区の職員だったので、東京で言えば、都庁の外郭団体みたいなかんじでしょうか。
でもサッチャー政権の時に公務員の大幅削減があり、マルコムは早期退職組に入ったのです
かなりいい終生年金がついたことで、マルコムは54歳にして現役を退くことを決心したといいます。

第1話はこちら

早期退職者の生きがい探し

それ以来、生活の心配はないものの、世の中の役に立ちたい、世の中の役に立ちたいという思いが強く、マルコムは様々なボランティアに挑戦したようです。
中でもドロップアウトしたティーンエイジャーを更生させるセラピスト(相談員)はマルコムが一生懸命目指したボランティア活動で、1年ほど有償の講座を受講して資格を取ったということでした。
でも、子どもを助けたい大人の数の方が、大人に助けられたい子どもの数よりもずっと多いらしく、なかなかお呼びがかからない、と嘆いていました

不良少年との交流

私はそのボランティアにマルコムが向くとは思いませんでした。
マルコムは真面目が服を着て歩いているような血統書付のイギリス紳士で、とても不良少年が腹を割って相談に乗ってもらいたいようなタイプではなかったからです

それでもある日、児童福祉センターから連絡があり、マルコムはいそいそ出かけて行きました。
不良少年と駅で待ち合わせるということでした。
日本ならそのセンターでの待ち合わせが普通だと思うのですが、イギリスはあくまでも個人の裁量に任せるシステムのようです

帰ってきたマルコムは寡黙でした。
どうしたのかと聞くと、少年が駅に来なかったのだ、と。
マルコムのことなので、1時間以上待ったでしょう。

気の毒になりましたが、予想はつきます。
私は、マルコムのボランティアは不良少年を助けることではない、と考えました。

人生を変えるボランティア

そしてこう提案したのです。
「ねえ、マルコム。あなたはこれまで何十年もウォークを趣味にしてきて、イギリスの田舎をたくさん歩いてきたでしょう? ロンドンには10万人もの日本人が住んでいるというけれど、そのほとんどがイギリスの美しい田舎を知らないの。ロンドンから出る時は有名な場所しか行かないわ。でもロンドンから電車で30分も行けば、無名な場所にもコッツウォールズのような景色が広がっているじゃない? マルコム、どうかイギリスの田舎を知らない日本人に、そのよさを見せてあげてくれないかしら? それも立派なボランティアだと思うんだけど」

マルコムはひどく気乗りがしない顔をしました。
ウォークを楽しむことはイギリス人にとって当たり前すぎて、彼の中に、そういうことが人助けになるという発想はなかったのです

しかし、私の辛抱強い説得に、最後にマルコムは不承不承、1回だけならウォークに日本人のグループを連れて行ってもいいよ、といってくれました。

これが私たちの後半生を大きく変える「ロンドン歩く会」の誕生となったのです

つづく

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