日本のおばさんが、クリント・イーストウッド似のイギリス人と結婚できた理由 22話 vs BBC前篇

money talks その1

私はイギリスで訴えられかけたことがある。
原告はBBCである。

そう、日本で言えばNHK同様の国営テレビだが、NHKよりもはるかに権力がある。
私はBBCの恐ろしさを知らなかった。

恐怖の前段

私のオフィスにはテレビがあったが、それは大家さんのものだった。
イギリスの借家は家具付きが多く、私のオフィスも借りた時に基本的な家具は揃っていた。
テレビもその一つだった。
だが、仕事場ではテレビは見ないし、個人的な時間も私はテレビを見ないたちだった。
テレビはマルコムの家に遊びに行った時だけ見る感じだった。

そのため、私は受信料を支払っていなかった。
そんな私の部屋にある日、物腰の柔らかいイギリス人男性が訪ねてきた。
BBCの関係者と言われ、IDを見せられたこともあり、何気なく部屋に入れてしまった。

第1話はこちら
前回のお話はこちらから

調査員の巧妙な手口

男性はすぐにテレビを見つけ、色々質問してきた。
私は「テレビは大家さんのもので自分は記憶する限り、テレビをつけたこともない」と答えた。
「つけたけど忘れたと言うことは?」と聞かれ、うっかり「一度くらいスイッチを入れてしまったかもしれないけど、それはテレビを見ることと意味が違う(と私は思っていた)」。
と答えたことが後で大ごとになるとは、その時は全く考えなかった。

未払い即裁判!

その男が去って数日後、私にBBCから受信料の請求書が来た。
私はその請求書を速攻、ゴミ箱に捨てた。

その後、続けてなんだか物騒な手紙が来た。
裁判所がどうのこうの、といった内容で、私はそれをマルコムの家に持って行った。

その手紙を読んだマルコムの顔がみるみる曇った。
「大変だ、君は訴えられた!」
「え~、私が何をしたって言うの?」
「テレビを見ているのに、受信料を支払っていないからだ」
「テレビは見ていないわ」
「調査員を部屋に入れただろう? 調査員が、君のテレビを発見したんだ」
「テレビは大家さんのものだし、見ていないわ」
「見たことがあるといったんじゃないか?」
「言わない、罠にはめられたのよ!」

マルコムは私の言い分を注意深く聞いてくれた。
それから、ロンドンブリッジにある地方裁判所に偵察に行ってくれた。
私の訴訟が、裁判の予定に組まれているのを見て、マルコムは焦った。
これは脅かしじゃない、本当の裁判沙汰なのだ。

反撃開始!

その結果、マルコムは国会議員に陳情する決意を固めた。
自由民主党はマルコムの支持する政党で(日本とは違って、第1党ではない。少々リベラルな党で、イギリスでは第3党になる)移民や貧しい層の支持を掴んでいた。
マルコムが書いた手紙に、サイモン・ヒューズという議員が返事をくれた。
私のオフィスのある選挙区の議員で、私たちと面会してくれるという。

その場所はなんと、スーパーマーケットのフードコートだった!

つづく

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