おいしい英国レシピ No.21 Pancakes

パンケーキというと、日本ではホットケーキ、インドではジャガイモなどと香辛料で炒めたものを包むドーサ、アフリカではインジェラと呼ばれるテフというイネ科の粉を水で溶き発酵させて鉄板で焼いたクレープ状のもの、そして前回紹介したスコットランドのパンケーキ“ドロップスコーン”など、世界各地でデザートから食事まで幅広くそして個性豊かなパンケーキが食べられています。

ということで、今回はイギリスのパンケーキです。

ドロップスコーンで少しお話ししましたが、イギリスのパンケーキはクレープのような薄い食べ物のことです。
焼きたてのパンケーキに砂糖をふりかけ、レモンをたっぷりと搾り、デザートとして食べられています。
何気なく食べられているように見えるこのパンケーキですが、イギリスでは“Pancake Day”と呼ばれるキリスト教と関係する特別な日があります。

Pancake DayとはすなわちShrove Tuesday(告解の火曜日、ざんげの火曜日)のことで、Lent(四旬節、受難節)が始まるAsh Wednesday(灰の水曜日)の前日の祝祭日です。
Lentとは、Ash Wednesdayからイースター(復活祭)が始まるまでの40日間で、この期間中キリスト教徒はイエスの十字架上の死を偲び、断食(一般的には肉類・乳製品・卵などの嗜好品を避けること)をする期間を意味します。

そのShrove Tuesdayには、キリスト教徒は教会へ懺悔に行き、司祭に罪の許しを与えられる日とされていました(罪の許しを与えるという英語は、“shrive”、過去分詞はshrivenゆえにshrove )。
その日は、人々に懺悔を知らせるベルが鳴り響き、そのベルは”Pancake bell”と呼ばれ、現在でも鳴り響いています。

それでは、なぜ”Pancake” Dayとも呼ばれているのでしょうか。

Shrove Tuesdayは断食の前日なので、常備しているバター、乳製品や卵を消費する日でもありました。
それらの材料で作れる物と言えば、“パンケーキ”が最適だったそうです。
ゆえにPancake Dayという別名があります。ちなみにその材料である卵には創造、小麦粉は生命の糧、塩は健康、牛乳は純潔を表す意味があるそうですよ。

さて、現在のPancake Dayにはイギリスでは何が起こっているのでしょうか。

もちろんPancakeを食べる日でもあるのですが、なんとレースの一日でもあるのです。
イギリスの南(ロンドンより北)に位置するバッキンガムシャーのOlney(オルニー)という町では毎年パンケーキ競争が開催されています。

今から約570年前の1445年のこと。
Olneyに住む主婦がShrove Tuesday(Pancake Day)に材料を使い切ろうとパンケーキを焼いたところ、教会の懺悔を知らせるベルが鳴り慌てて教会へ。
よほど慌てていたのか、エプロンを身につけ、しかも焼きかけのパンケーキが入ったフライパンを持ったまま教会へかけつけたそうです。
それ以降、その町ではパンケーキ競争が開かれ、出場できるのは、Olneyに3ヶ月以上住んでいる18歳の女性で、競争者は必ずエプロンをし、頭には帽子もしくはスカーフをかぶらなければいけないルールがあるそうです。
そしてそのレースでは、町の市場から教会までの415ヤードを走りながら、3回もパンケーキをトスしなければいけないとの厳しい競技ルールもありそうです。
立ったままでのトスも難しいのに、走りながらのトスは尚のこと難しいですよね。

それでは、レシピを紹介します。混ぜて焼くだけのとても簡単なレシピです。
走ってトスするよりも簡単ですよ!

焼き上がったら温かいうちに、砂糖・レモン汁をかけて、ストレートの紅茶と共にイギリス流のパンケーキをお召し上がり下さい。
生地の淡泊さは、レモンの酸味とほのかに甘い砂糖が引き立ててくれます。

(材料)約13枚分 直径25㎝のフライパン使用
110g 薄力粉
一つまみ 塩
2個 卵
200ml 牛乳 + 75ml 水 *牛乳と水を混ぜておく
約50g バター

サーブ用
レモン
グラニュー糖

1.粉に空気をふくませるため、高い位置から薄力粉・塩をボールにふるう
写真1.1
2.粉の真ん中に穴をあけ、卵を割り入れて、中心から外側に向かって泡だて器でかき混ぜる
写真2.2
3.牛乳・水を少しずつ入れて混ぜる
写真3.1
写真4.1
4.フライパンにバターを溶かしたら、フライパンの表面全体に生地を薄く流し、弱火で両面を焼く
※生地をフライパンに入れ過ぎない
写真5.1
写真6.1
5.皿に、焼いたパンケーキを四つ折りにして置き、グラニュー糖とレモン汁をかけてサーブする
出来上がり.1

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