外国人と結婚した日本女性のほとんどが感じることがある。
それは「サラリーを奥さんに預けてお小遣いをもらう日本のお父さんほどお人好しはいない!」ということ。
多分、世界のどこを探しても、有り金を女房に預けて小遣いを押し頂いている男性はいないだろう。
イギリスの夫婦のお財布は別々
それはむしろ、日本のお父さんの愛情表現なのかもしれない。
イギリス人の夫たちも、自分の給料は「必要なだけ」妻に渡す。
では、どうやって生活費を回していくのか?
実は日本の銀行にはなくて、海外の銀行にはある口座があるのだ。
「ジョイント・アカウント」、日本語で「夫婦口座」とでも訳したらいいだろうか。
ジョイント・アカウントの利用方法
ジョイント・アカウントは夫婦連名で開設する。
そして、ふたりが相談して生活費をそこに入れる。
共稼ぎなら、妻も負担分を入れる。
キャッシュカードやクレジットカードの引き落としをそこにしておけば、生活費に関するお金はジョイント・アカウントから自動的に出ていく、というわけだ。
ジョイント・アカウントの相続利用
この口座のもうひとつのメリットは「遺産相続に抜群の威力を発揮する」ことだ。
ここにプールされたお金は夫婦の共有財産だから、例えば夫が亡くなった場合、口座は自動的に妻の名義になり、そこに入ったお金は遺産相続の対象外になる。
日本にもしその口座があった場合、どうなるか。
夫が亡くなって1億円の財産が残ったとした場合、遺言状などがなかったら、現行の法律では配偶者、つまり妻に半分、残りの半分を子どもたちが分けることになっている。
だが、もしジョイント・アカウントに夫の遺産のうち5000万円が入っていたとしたら?
この5000万円は自動的に妻のものになり、残りの5000万円の半分を妻が、残りの2500万円を子どもたちが分配する仕組みだ。
ジョイント・アカウントで妻にキャッシュが入ってきたとしても、これは妻のものなので、もちろん税金がかからない。
日本では利用不可
…がしかし、現在日本で営業している銀行には、ジョイント・アカウントは禁止されている。
日本で生活する外国人夫婦が苦情を言うそうだが、目下のところ、ジョイント・アカウントが解禁になる見通しはまったくない。
まあ、夫がおとなしく給料を渡し、クレジットカードの家族カードを作って妻に使わせている日本では、そんなものは必要ないのかもしれない。
さらに実印だって渡しちゃうこの文化、外国人には理解できないかもしれない。
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