本格演劇・レストランで貸し切りディナー・ディスコパーティー!イギリスの小学校の卒業式まとめ

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こんにちは。
イギリスブロガーのメディです。

突然ですが、演劇は出来ますか?
ダンスは踊れますか?

「出来る!」と答えられた人は凄いです!イギリス人並ですね!
イギリスでは、演劇とダンスは広く深く浸透している文化です。
演劇史上で有名なシェイク・スピアや社交ダンスの発祥の地として知られています。
私事ですが、つい先日、娘が小学校を卒業しました。
そこでも演劇とダンスをする行事がありました。
イギリスでは演劇をする事がコミュニケーション力を鍛える教育になるため、子どもの頃から積極的に行われています。

イギリスと日本の小学校の違いは数多くありますが、
今回はイギリス文化との違いについて目を向けていきつつ、卒業式までの出来事を振り返っていきます。

イギリスの卒業式は7月

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先日娘が学校を卒業したとお話ししましたが、日本人からすると、
「7月に卒業式?一学期の終わりじゃなくて?」と不思議に思う所だと思います。
イギリスの学校の新学期は、日本と違って、9月からなのです。

【イギリスの7・8・9月】

  • 7月…学年終了
  • 8月…夏休み
  • 9月…新学期

今回は卒業式までにあるイベントを順に追って紹介します。
基本的な教育制度に関して、気になった方は以前書いた記事をご覧ください。

【イギリスの教育システム】

【イギリスの公立中学校・高校(セカンダリースクール)についてはこちらから】

生徒だけでなく、先生も必死に生徒達に教える! 学校のレベルを決める全国テスト

まず、公立の学校のYear6(6年生)の生徒たちは、5月にSATSという試験を受けることになっています。
SATSとは、「Standard Assessment Tests」の略で、「標準評価テスト」という意味です。
その名前の通り、日本の全国学力テストと同じで、全国的な取り組みでの学力調査テストです。
科目は英語(リーディングとライティング)、数学が試験科目です。
日本との違いですが、このテストの結果は、学校別で公表されます。
つまり、学校のレベルが問われる事になるので、試験の結果は学校にとって重要です。

でも、子どもたちにとっては、その試験の成績が次の学校へ行くのに影響するわけではありません。
ですが、学校側にとっては、このテストが、今まで教えてきたことの総仕上げとなるため、先生も生徒達に教えます。
間際にテスト勉強をするのではなくて、この学年に上がった時の最初の先生との個別面談にて、学校側からテスト用の参考書の貸し出しがありました。
それを1年弱かけて、家でもテスト対策して勉強していきます。

ちなみに、今の日本では全国学力テストの学校別の成績結果は公表されているそうですね。
2014年から条件付きで解禁される形になったということだそうですが、イギリスではそれ以前から行われているので、日本との教育文化に対する考え方の違いが見られる所だと思います。
ただ、SATSが生徒にとってプレッシャーを与えるということで廃止にさせた方がいいという案もあるそうです。

学校全体で社会派作品の演劇に取り組む

uk-primaryschool-graduationその学力テストが終了したら、小学校での勉強はほぼ終了です。
5月から、学校が終了時の7月までに、演劇のパフォーマンスの練習を行います。
最終学年が学年末にパフォーマンスをするというのが娘の学校では毎年恒例の事ですが、他の地域のお子さんの話を聞くと同じようにパフォーマンスがあるみたいです。

今年の娘たちのパフォーマンスは、イギリスの長編小説「オリバー・ツイスト」でした。
2005年に映画化もされている社会派作品で「貧富の格差」をテーマとしています。
小学校での演劇といって、絵本や童話を持ち出したりしません。
しかもちゃんと役のオーディションなんていうのもあって、どの子がその役に適してるかというのをしたそうですよ。
イギリス人が演劇に対して、どれだけ本気かがよく分かる所だと思います。uk-primaryschool-graduation

オーディションがあっても、落選してそのままというわけではなく、全員に役割があてられます。

娘はちょい役でしたが、合唱での歌詞もみんなでおぼえなければいけないので、家で練習して歌っていたし、学校でもそのパフォーマンスの練習を日々していたようです。

パフォーマンスは7月に入って2日間。
体育館のスペースの関係で、各家族2名までしかチケットを購入することはできないので、夫婦で観に行って来ました。
実際にパフォーマンスは4回行われたそうで、昼間に学校の下級生の部と祖父母の部、夜の公演が2日間でした。
しっかりと練習していなければこなせない、ハードなスケジュールです。

演劇内容には、ミュージカルシーンも!
主役の子がソロで歌を歌ったりします。
演劇を普段からやっている子、歌が上手な子は特に光っていたし、でも主役だけではなくて周りの子も劇を盛り上げていたので、素晴らしかったです。

新学期・新学校の授業をお試し体験できるシステムがある

また日本では全くないシステムとして、「トランジッションデイ」というのがあります。
7月のその日だけ、一つ上の学年へ進級します。

日本では、新学期の初日になって、新しい担任の先生、クラス分けで友達がわかりますよね。
イギリスでは「トランジッションデイ」の時にわかるので新学期が始まる9月前にわかります。
それが7月の2週目くらいに毎年あります。

Year1(1年生)だとすると、Year2(2年生)の学年の授業をお試しするわけですが、娘はプライマリーの学校を卒業する事になるので、次の学校であるセカンダリー学校へ授業を受けに行きました。
以前、記事にもしましたが、既に学校選びは終えて、どこの学校へ決まったかも3月にわかり、入学するにあたっての書類などもすでに提出済み。
学校からは入学案内の資料などが郵送であり、このトランジッションデイの事も時間割と一緒に詳細が載っていました。

次に行く学校に関しても、見学だけでなく、授業まで受けられるのです。
担任の先生は誰かがわかり、お試しの授業で英語や体育の授業があったそうですし、ランチ代で3ポンドほど持参させたので、学校の食堂でランチも楽しめました。
お試しをする事で、新しい学校に通う事が更に実感できて、9月から行く事が前よりも楽しみになったようです。

レストランで貸し切りディナー?!

学校が終了する前にはYear6の子だけで、学校近くのレストランを貸し切って最後のディナーができました。
これは学校行事ではなくて、Year6の親側で開催したパーティーです。

会の準備や当日の段取りも親御さんたちがしました。
雰囲気を盛り上げるために、参加するみんなの写真を集めてコラージュにしていたりして、用意していました。

卒業式というかしこまったものはない

uk-primaryschool-graduation日本の卒業式というような、かしこまった感じの式はなくて、Year6のラストアセンブリー(集会)が卒業式のような感じでした。
父兄も参加できるようになっていましたので、私も行って来ました。

生徒達は学校生活を振り返ったものを発表したり、合唱などがあったりしました。
誰がどの科目でもっとも優秀だったかという発表が先生からあり、賞状がもらえていました。
また、学校の先生がパワーポイントを使って、学校生活の生徒の写真を発表。
さかのぼってYear3の写真がでてきたりと、懐かしい場面がたくさんありました。
親にとっては学校生活の様子は知らなかったりするので、家とはまた違う子供の様子や成長などが見られて感動しました。

最後に校長先生が選んだポエムと学校の名前が入ったペンセットの贈呈がありました。
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学校にて卒業ディスコパーティー

まだまだ卒業関連の行事があります。
普段からPTA主催で、バレンタインディスコパーティーとかを行っていたりしていますが、卒業パーティーとしてディスコパーティーがありました。

生徒たちはダンスを踊るために、制服から私服へ着替えます。
学校の体育館がダンスフロアー化して、外部からDJを呼びます。
(キッズパーティーなどで学校の地域で活躍している方だそうです)

ディスコの天井にかかっているカラーライトなど設置され、ディスコ特有の色とりどりの光が学校の体育館をディスコへ変えます。
先生達も踊ったりしていたようです。

先生も踊るから、といっても、飲み物などはもちろんお酒ではなくて、ソフトドリンクです。
子供達にとって、学校での最後の行事。
楽しく過ごせたと思います。

生徒と父兄が一緒になって、先生へのお礼をする

そして、こちらイギリスならではかもしれませんが、年度末には先生にお礼としてプレゼントやカードを渡したりします。

いつもは生徒が一人ずつバラバラにカードとプレゼントなどを渡していましたが、今年はクラスの代表者が、クラスの父兄に声をかけて、プレゼント用のお金と生徒からの写真とメッセージを集めていました。
そして、学校の最後の日に、お世話になった担任の先生たちに渡していました。

娘の先生は感極まって泣いていたそうです。

まとめ

最後の2週間は本当に色々な行事ありました。
その間にもSATSの結果がわかったり、学年末の学校の成績表が出たりとしていました。

私も演劇の衣装の準備や学校への送り迎えなどに追われ忙しい毎日でしたが、娘もテスト勉強、演劇、次の学校の授業、いろんなパーティーに参加したりと、目まぐるしかったと思います。
ですが、卒業する最後まで、今後の成長に繋がるような多岐にわたったイベントがあり、学校が主体ではなくて、生徒が主体となって学校行事をしていたのが印象深いです。
イギリスの教育の素晴らしさを改めて感じられて充実した2週間だったと思います。

娘にとっても、良い思い出になってくれたのではないかと思っています。


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