パーモ(parmo)ミドルズブラの郷土料理

ミドルズブラの郷土料理パーモ

1. パーモの概要

肉の揚げ焼き。
カツレツ(豚肉または鶏肉をパン粉に包んで揚げ焼きしたもの)に、ベシャメルソースとチェダーチーズを乗せ、オーブンで焼き上げた料理。
フライドポテト・サラダと共に食される。
仔牛肉や鶏肉を使うパルミジャーナから変化したものとされている。

イングランドのノースヨークシャー州にある工業都市ミドルズブラで発展し、郷土料理として定着した。

2. 起源

諸説あり、明確ではない。[1]
有力とされる説は下記の通り。

  • 1958年 第二次世界大戦のアメリカ人シェフであるニコス・ハリスによって、パルミジャーナをベースにした料理として作られた。
  • 1960年代 材料の変化が起こる。
    地元の気質により適したアメリカンスタイルのファーストフードに変化、ティーズサイドの伝統として定着したと言われている。
    仔牛肉→地元産の豚肉や鶏肉
    イタリア産のトッピング→ベシャメルソース
    チーズに関しては、最初から変わらず、チェダーチーズのままであったと言われている。

3. パーモをめぐる議論

3.1 PDOへの登録推進運動

ベン・ホーヘン市長[2]によって、原産地名称保護(略称PDO)への登録を推進する施策があった。[3]
原産地名称保護制度は、消費者に正しい情報を提供することを目的とした制度で、下記の3種の基準があり、この施策が目指していたのは最も厳正な基準である原産地名称保護(略称PDO)である。
地域特産物を保護するための制度でもあり、全く同じ品質の商品が違う地域で作られることができたとしても、登録された商品の地域を名乗ることが許されない。

  • 原産地名称保護(略称PDO)
  • 地理的表示保護(略称PGI)
  • 伝統的特産品保護(略称TSG)

この推進運動に関して、否定的な意見も見られた。[4]

3.2 安価で高過ぎるカロリーに基づく健康問題

パーモが値段の安さに対してカロリーの高い食べ物であるため、毎日のように食べる人が多く、健康問題に発展して議論されることがある。[4][5]

4. 売上

2009年にイギリスの大手スーパーマーケットチェーンAsdaが、ミドルズブラを中心とした集落のティーズサイド(Teesside)で、パーモを販売開始した所、当時のasdaの商品ラインナップの中で最大の売り上げを出していたと発言している。
その概数は、6000個/週とされている。
その後、ティーズサイド以外の店舗にも販売開始することになった。[6]

5. 基本的なレシピ

5.1 材料

材料名個数
豚肉or鶏肉1枚
ミルク1/2カップ
バター大さじ6
小麦粉大さじ3と1/2
ナツメグ小さじ1/2
ローリエ1枚
パン粉1/2カップ
チェダーチーズ1カップ

5.2 調理動画

6. 出展

[1]パーモの起源に対する疑問と世界パーモ選手権に対する意見
[2]ベン・ホーヘン市長
[3]パーモをPDOとして登録しようとした施策
[4]PDOの登録に対する意見とパーモのカロリー問題に対する意見
[5]パーモ自体を問題視するよりも、人々の栄養に対する認識への問題を投げかけた議論
[6]当時のBBCの報道

7. 関連項目

ASDA(アスダ 大手スーパー)パトロール① 〜生活編〜
スペインでPGIとして登録されている事例

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