映画ピーターラビット 賛否両論 まとめ

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イギリスでも日本でも大人気の映画「ピーターラビット」ですが、賛否両論が激しい作品でもあります。
児童向けの絵本として世界中に知られているピーターラビットの映画で、なぜそういった事態になったのでしょうか。

賞賛、批判、その論点をまとめながら、この作品の本質に迫ります。
※注意:この記事は全編のネタバレを含む映画を見終わっている方向けの内容になります。

【賞賛の声】世界観とギャグが最高

  1. 世界観全てが可愛い
  2. ギャグが面白い

①リアルだけど表情豊か!最新鋭CGアニメが作り出すキャラクターとイギリスの湖水地方風景が美しい

この映画での「可愛さ」とは「動物の可愛さ」です。
というのも、原作のピーターラビットの絵自体が「可愛い」と言われる方向も、デフォルメされたキャラクターの可愛さではなく、現実の動物をベースにした可愛さであり、そこに寄せているからです。

しかし、ピーターラビットの動物は完全なCGで描かれています。
通常、動物の可愛さを表現するなら、動物自体を実写で撮る事に尽きますが、そうしようとすると現実の動物なので、シーンに合わせて思うように動かせません。
ならば、CGで表現する…となると、いかにも作り物感が出てしまい、実写の人間や背景との差異が目立ってしまいます。

ですが、ピーターラビットでは、監督であるウィル・グラック氏の拘りによりCGでも、毛の質感やウサギならではな表情を作り込んでいます。
実写の人間や背景に対して違和感がありません。
結果、「ピーターラビットというウサギが現実にいる」かのような存在感にあふれ、原作者であるビアトリクス・ポターが描いたピーターが実写化したかのような表現に達し、可愛いと感じられるようになっています。

また背景に関しては、イギリス映画だからこそ、原作の舞台である湖水地方の景色やロンドンの綺麗な街並みもしっかりとアピールされています。
観光地としても有名なスポットですので、イギリス旅行気分を味わう事も出来る映画として作られています。

【ピーターラビットの聖地「湖水地方」とは】

②イギリスといえばブラックジョーク!ユーモアに溢れたギャグだから大人にもウケる

ピーターラビットの巷の感想として切り離せないのが、この「爆笑した」というコメント。
「子供が笑っていた」というだけでなく、大人も爆笑。
実際に映画館で観客の反応を見ていましたが、老若男女問わず、5分に一回は笑いが起きていました。

イギリスといえばジェントルマン、紳士の国。
ですが、そのジョークは理知的な紳士たるからこそ、ユーモアに溢れるため「皮肉的」とも言われます。

【イギリスのジョーク集】

5分に一回はジョークを挟むというように、楽しんで貰うエンターテイメント精神に徹底されています。

【批判の声】イメージと違い過ぎ?批判は「過激な描写」に集中

    • ピーターがエスカレートし過ぎて、イメージしていた作品と違ってショック

穏やかな世界観を楽しみにしている人には合わない

リメイク作品にはよくある事ですが、新しくした部分が納得いかないという方も多くいます。
特にピーターラビットは挿絵だけで知られている事も多いため、原作は読んでいないがただ優しい世界なのだろうという勘違いもよくある作品なのです。
原作が好きな方でも、元々ただ単に優しい世界ではないため、映画がしている表現の方向性も理解されている方もいます。

ですが、今作はウサギに向かってダイナマイトを投げたり、アレルギー体質の人に対しアレルゲンをぶつけるなどといった格別に過激な行為が全面に押し出されている映画です。
原作が自然の観念に基づいて、残酷な描写もあるとはいえども、今回のリメイクにあたり、残酷だったり過激な描写を子供に見せたかった訳ではなく、ほのぼのとして穏やかなな作品を期待した方たちには不評になってしまうのも仕方ありません。

論争の中心であるアレルギー描写に関しては感謝の声もある

過激シーンがある作品のお約束でもありますが、賛否両論が起こります。

ただし、今回問題になっているシーンは、アレルギーを持つ人間がアレルゲンをぶつけられ、死にかけた所をピーターが笑ったという内容になっています。
ですが、この人間、「マクレガー」とピーターは敵対関係にあります。
マクレガーにとって、ピーターは「畑を荒らす害獣」であり、ピーターにとってもマクレガーは、「自分が手に入れた畑を荒らす害獣」です。

つまり、そもそも「食物アレルギーをからかう表現」という意図のシーンではなく、「人間ではない動物が人間を攻撃する」意図のシーンです。
このシーンの前に、ピーターラビットたちはマクレガーからダイナマイトを投げられますが、それは「動物をからかって虐待する表現」という意図のシーンではなく、「住処を守ろうとする人間が害獣を攻撃する」意図のシーンです。

その弁をもってしても、表現のニュアンスというものは慎重に扱う必要があります。
ですが、表現の規制を重ねていくと最終的には「誰しもに全く安全たる表現が存在しない」という基本を忘れて、意図せず抑圧してしまう事になります。

本件に関しては制作陣も謝罪しています。
安易に解決を出せる話ではありませんが、「映画ピーターラビットはアレルギーを軽視した作品」と断ずる事は、過激な結論だと思います。

また、こういった迂闊には発言し辛いとされる複雑な問題においては、表現される事と論争が起きる事で多くの人に問題が認知されるという効果があることも事実です。
アレルギーの当事者である方からもアレルギー問題の重大さを知らしめてくれた映画ピーターラビットに感謝する声もありましたので、是非ご一読下さい。

 

映画ピーターラビットにおける子供たちへの教育的メッセージとは

最後に本作のテーマですが、それは「大人へと成長する」事です。
…というテーマはあらゆる作品で言える共通の事。
作品においてそのメッセージ性が最も見られるべきポイントは、その成長を「何をして」獲得するのかです。

本作ではそれが「謝罪」によって、成されます。

終盤、登場人物全ての行動がエスカレートし、ピーターは、事故とはいえ、彼の愛するビアの家を破壊してしまう大事件を起こします。

「暴走したいたずらっ子が迷惑を掛け、叱られる」
という教訓が児童文学の基本の一つですが、原作よろしく本作も最後までこの形になっています。
ですが、叱られるのは親や手本になる存在がいる前提であり、
本作では、そういった存在がいません。

だからこそ、ピーターは誰かを頼らずに、自分でこの騒動のケジメをつけなくてはいけなくなります。
そして、彼が取った行動というのが「謝罪」です。

ピーターが自らの行いの過ちを認め、そのために奔走する姿に、一人また一人、手を貸していきます。
最初は口だけだったリーダーシップから、周りから信頼される本当のリーダーシップを獲得し、皆がまとまって大団円を迎えます。

この作品の登場人物は全員が自己中心的です。
そんな登場人物たちが和解できたのは「謝罪」し合えたからです。

子供から大人に至る時、必要な事は「自分を振り返り、周りと認め合う」こと。
それが映画ピーターラビットが持つテーマであり、本来子供のために書かれた原著「ピーターラビット」と同じく、子供のためになる教訓としてメッセージされている想いになります。


イギリスでも大好評だったため、2の製作も決定しています。
最後に皆から信頼される真のリーダーになったピーターが、今後どんな物語を紡ぐのか、今から楽しみですね。


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